いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー (2)」佐島勤(電撃文庫)

メイジアン・カンパニーのメンバーは魔工院の設立準備を進めていた。達也は十師族の一員である八代家の隆雷に、学院長就任の打診をする。魔法資質保持者の人権自衛という目的のために、着実に行動していた。
そんな中、加工途中のレリックを狙った魔法師犯罪が勃発。その背後には人造レリック盗難事件の犯人が属していたUSNAの魔法至上主義過激派組織『FAIR』の影が……。達也はこれに対抗するために同じくUSNAの魔法団体『FEHR』との接触を試みる。
三つの組織が交わることでレリックを巡る争いが激化する――。


光宣くんと水波ちゃんのサンフランシスコ新婚旅行編。これに比べたら他の出来事なんて些事ですよ。
お互いを気遣う様子が初々しくて、それでも大事な場面は甘い空気も出てて、読んでいて優しい気持ちになれるデートが繰り広げられていた。対人関係がドライな達也が気に掛けたり、達也以外興味が無い深雪が協力を惜しまないのは、この二人の思わず親心になってしまう危なっかしくも可愛らしい姿に寄るところが大きいのだろう。
という冗談はさておき(SFデートは事実だが、それをメインと言い張るには寂しい容量なので)
2巻はメイジアン・カンパニーの足場固め+国内外の情勢といった内容。
特にUSNAの情勢、メイジアン・カンパニーに入った遼介が所属する組織『FEHR』と相反する思想を持つ過激派組織『FAIR』という組織が重点的に語られる。が、ボスも側近も大物には見えないので、ここが虎(達也)の尾を踏む役なんだろうなあ、くらいの感想しかない。
そいつらが起こすゴタゴタに巻き込まれた真由美のピンチが話のハイライト……だったと思うのだけど、事件の前から安全は保障していますと匂わせているし敵も弱いので、ヒーローになった遼介と助けられた真由美の距離が縮まった以上の意味は特にないのだろう。しかも、相手があの真由美さんだと、遼介が服部に代わるおもちゃになる未来しか見えないんだよなあ(苦笑)
そんなわけで、達也が静観構えで1巻以上に動かなかったので、全体的に静かな印象の巻だった。