いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「幼なじみが絶対に負けないラブコメ9」二丸修一(電撃文庫)

みんな、高校生なら一度くらいは家出したことあるよなっ! うざい親父とずっと一緒なんか耐えらんねー! ……なんて勢いで家出したものの、哲彦には門前払いを喰らい、このまま冬空の中で野宿……と思ったら白草から救いの電話が!
天敵・紫苑ちゃんの目をかいくぐり、白草の部屋へと辿りつくと、白草の雰囲気がいつもと違うような……? いや、クリスマスに黒羽から『公開告白』されたばかりだろ、俺。我慢するんだ。でも、部屋で二人きりとか耐えらんねー。
バレンタインを前に、勝負をかけようと意気込む白草。一歩リードしている黒羽と、虎視眈々とチャンスを狙う真理愛に打ち勝つことができるのか!? ヒロインたちの戦略渦巻く聖戦開幕の第9巻!


末晴と父親の関係の問題などありつつ、メインイベントは何と言ってもバレンタインデー。ラブコメだからね。
久々の白草のターン。
想いは他の二人に負けるつもりが一切ないのに、本人の前だとテンパってしまい肝心なことが言えない白草。そんな不器用なヒロインの真骨頂が随所に出ていて、思わず白草を応援したくなる白草派垂涎の話だった。
勇気を出せたのがロスタイムもいいところなホワイトデーなのも彼女らしい。遅すぎてもうページがなく末晴の反応がないので、若干モヤっとする終わりだったのが玉に瑕ではあるが。
と、白草の可愛さを堪能できたのはいいのだが、物語としては全然進んでいないのでどうにも間延びしてる感が拭えない。無理して引っ張っているというか。
それにこの作品の一番の売り、ヒロインの腹黒さとそれぞれの策略が空回りする様子が全然ない。君たちが仲良く末晴と父親の仲を取り持ったり、仲良くチョコづくりをするのは違うだろ。黒羽がやることやって待ちの体勢ででんと構えている状態なのが悪いんだろうか。彼女が動かないとどうにも話が動かないな。
次回、新学年編スタート。停滞ムードなので後輩たちの引っ掻き回しに期待したい。