いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「転生王女と天才令嬢の魔法革命5」鴉ぴえろ(富士見ファンタジア文庫)

正式に王になった天才令嬢・ユフィリア。執務に大忙しな彼女を横目に、転生王女・アニスフィアは魔学の研究に邁進していた。――と、ここで問題発生! アニスの魔学を国として発展させていくうえで必要になる、精霊石が足りなくなりそうで――?
「アニス。精霊石の開拓のため、東部に視察に行きましょう」
(ユフィと一緒に視察って、新婚旅行みたいなもんじゃ!?)
もちろんイリアやレイニたちの従者もいるが、二人で一緒にお風呂やお忍びも!? しかし、東部辺境はアニスの弟・アルガルドが追放された地。姉弟の再会は、王国に新しい風を吹かせることに――? 王宮百合ファンタジー、新展開の第5幕。


東部視察という名目の新婚旅行でイチャイチャしまくる前半と、姉弟の仲直りの後半の二部構成な5巻。
まだまだ続くよ、百合百合進行。糖分過多だ、このやろうw
立場的に二人きりは不可能だけど、護衛を事情を知る身近な人たちで固めて、公然とイチャイチャしまくる二人。ちょっとお外で見せつけ過ぎじゃないですかね? いや、二人きりの時はキスしかしてないのでは?と思うくらいベタベタだから、あれでも自重している……のか? 異変調査の森でケーキ代わりに入刀されたフェンリルさんが可哀想です。
新婚気分を堪能した二人と一行はアニスの弟・アルガルドが送られた辺境へ。
ケモミミ少女きたー。また属性テンコ盛りなサブヒロインを出しおって。
それにしても、美人な婚約者が居ながら守ってあげたい系ヴァンパイア令嬢に懸想し、次はロリ系ケモミミ少女か。弟くんも姉に劣らず業が深い。
というラブコメ的話題はこれくらいにして、
元々仲が良かったのにすれ違ってしまった姉弟が、自分の率直な気持ちをぶつけ合って仲直りするシーンがとても良かった。
とりあえず戦って別れたまま投げっぱなしにせず丁寧に扱ってくれたことが嬉しい。もちろん元通りにはならないけれど、失敗に対して反省もするし傷も抱えたままでも、それをも糧にして前に進もうとするアニスの/このシリーズの一貫した信念みたいなものが感じられた。
百合に姉弟愛に尊みが深い話だった。ただ、第一部が2巻3巻と激しい感情のぶつけ合いで凄い熱量だったので、第二部は4巻はともかく5巻になってもなかなか盛り上がってこない、なかなかエンジンがかからないな、という印象はある。
アクリルが逃げて来た経緯がきな臭いので、そこから不穏な展開になりそうな予感。