いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「週末同じテント、先輩が近すぎて今夜も寝れない。2」蒼機純(GA文庫)

超インドア趣味な俺・黒山香月はアウトドア派の四海道先輩に誘われたキャンプで、その魅力を知る。
さっそく次のキャンプも計画するが――「お邪魔します。あ、黒山君」
今度は先輩が俺の家にやって来て!?
一方、先輩との交流がきっかけで学校生活も一変。交友関係が広がり、同じ図書委員のメンバーとまさかこの俺が休日にBBQ!?
インドアな俺を引っ張り、新しい景色を見せてくれる先輩に俺は――。
そして始まる先輩とのキャンプ旅行。今回は星に手が届くと噂のキャンプ場へ向かうことになり……?
週末同じテントで始まる半同棲生活、北海道・富良野で過ごす第二夜。


インドア少年がアウトドアに目覚めるラブコメ第二弾。
誠実な後輩黒山君と美人の四海道先輩のお互いに異性慣れしていない感じの、初々しいカップル未満な感じは相変わらずとても良かった。ちょっとたどたどしくてこなれていない文章が、この二人の描写に関しては上手いこと作用している。
ただ、前回の後半からほとんど変化がないように思える。
1巻がインドア派の主人公がアウトドアの楽しさを知る内容なら、2巻はそこからのめり込む段階になると思うのだが、これといってそういう描写はなかった。強いて上げるなら料理だが、元々できる人がキャンプでの料理に慣れただけな感じ。メインイベントのキャンプよりその前の旭川デートがメインのような扱いだったくらいだし。
一方、四海道先輩は何度も別れを匂わせるくるので、遠くの大学に行くのか就職でもするのかと思ったら、卒業したら会えなくなるかも?という漠然とした不安で肩透かし。引っ越さないなら会えるでしょ。この匂わせは、何がしたかったよくわからなかった。
結局のところ、くっつきそうでくっつかない焦れ焦れカップルが書きたかった……のかな?
作中時間が2,3ヵ月しか経ってないので、大きな変化はない方が普通なのかもしれないが、1巻後半の延長戦の1.5巻みたいな内容だった。メインの二人は誠実で初々しくて応援したくなる二人なんだけど、次があるなら何かしら進展、進捗が欲しいところ。