いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 掌編集1」大森藤ノ(GA文庫)

迷宮都市オラリオ――「ダンジョン」と通称される地下迷宮を保有する巨大都市。
夢を追ってやってきた少年が、一人の小さな「神様」と出会ってからの半年間に散らされた、小さな挿話の数々から振り返る、少年の冒険の軌跡。
ダンまち」本編シリーズの店舗特典ショートストーリーや限定版収録の短編のほか、書き下ろし短編も収録した掌編集第1弾!


本編1巻から17巻までの店舗特典の掌編を集めた掌編集。書き下ろし短編もあり。
1巻から順に当時の様子のベル以外の視点を読めたり、合間の出来事を知ることが出来りで、新しい発見をしながら当時の思い出に浸る回顧録的な楽しみ方が出来る一冊。色ボケ紐神様に引っ張られるようにラブコメ色の強い掌編が多いのが特徴。
アニメ4期放映直後なのもあって、深層編クライマックスの14巻や、深層編のその後でフレイヤ編に入る前の15巻辺りの話が気になる。
シリアスで最も好きなのが『風の言葉』。アイズの存在と言葉が、極限状態だったベルの支えになっていたのがわかってグッとくる。ラブコメで一番好きなのが『ちょっと遅くなった『約束』を』。ベルとリューが一緒に罰を受けた後に、一緒に温かいご飯を食べる。あの後だからこそ感じる小さな幸せが尊い。そしてもちろんリューさんが可愛い。
14,15巻以外で好きなのは、あのアイズが楽し気に踊り笑顔まで見せてくれる『愉快な鼓動』。アイシャとリューの組み合わせ珍しくオチが案の定で笑える『妖精ロマンチカ』。「リューさんカワイイ」だけを詰め込んだ『本屋デート?』。
逆に読んでいてしんどいのが17巻の掌編。ヒロインたち視点で語られるベルの消失。フレイヤの罪深さを再認識し、フレイヤ憎しが深まる。それともう一つ、ヘルンさん病みすぎぃ!
掌編集2は外伝の掌編がメインのようで。アイズの出番が増えそうで楽しみ。