いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「弱キャラ友崎くん Lv.11」屋久ユウキ(ガガガ文庫)

弱キャラ友崎くん (Lv.11) (ガガガ文庫 ガや 2-13)

思いがけない形で終わってしまった大阪旅行。俺たちは、日南とほとんど話せないまま3年生を迎えた。日南はひとり特進クラスへ。だが、そこでも日南は驚きの姿を見せ――。覚悟を決めて日南の家を訪れた俺は、意外な人物に出会うことになる。
「あの……もしかして」「は、はい」「……葵さんの妹さん、ですよね?」
……思えば俺は、あいつのことをなにも知らなかったのかもしれない。仮面の下に隠された本当の日南葵を、俺は掬い上げることができるのだろうか――。
人生攻略ラブコメ第11弾、いよいよ最終ステージ!!

実に二年ぶりの新刊。前回何していたかは当然のごとく覚えていなかった。


誕生日のサプライズビデオレターでついに決壊してしまったパーフェクトヒロイン日南の本質に迫る話。引き篭もってしまった日南を外に出すために、壊れた彼女の心を理解するために奔走する友崎と仲間たちの焦燥と葛藤を描く11巻。
菊池さんが強キャラすぎた。これはもう天使なんてとうに通り越して女神の領域。
珍しく独占欲を発揮して“年相応の彼女”な可愛い姿を見せてくれたと思ったら、自暴自棄になって理不尽にキレた彼氏に愛想をつかさず待ってくれるばかりか、言葉を届く形にして伝えてくれる。こんないい娘、現実にも居たらいいのに(ないない)
極めつけは、少しの情報と周囲から聞いた印象で、物事の本質を突いていくまるで神の視点を持っているかのような並外れた洞察力。日南がラスボスなら菊池さんは裏ボスだろう。神族が裏ボスのゲームって多いし。
一方、そのダメ彼氏の友崎は、珍しく間違った答えを出し続けた回だった。
絶対の正解がある問ではないので100%間違いというわけではないけれど、どちらかと言えば間違い、もしくはその場しのぎみたいな答えばかり。珍しく冴えたゲーマーの才が発揮されなかった。大逆転の一手を生かすため、また強キャラを表舞台に出すために必要なイベントだったのかな。その強キャラが強すぎてゲームバランス的にはどうかと思うところはあるけれど。何はともあれ、器用貧乏タイプの勇者は最強の仲間を一行に加えて魔王討伐へ。
ちなみに日南の事情は、こんな家庭環境では歪むのは仕方がない、とだけ。日南母がひたすらに気持ち悪い。母親が壊れているのは父親がいないのが原因なのかな。
次はこんなに間が空くことはないとあとがきにはあるが、、、この11巻も何回延期したんだか。あまり期待せずに気長に待つことにしよう。