いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



6/27の雑談

台風3号

台風になるかならないかばかりがニュースになっていたけれど、
こんな近くまできて台風に発達する、日本近海の海水温の高さの方が問題のような(^^;



扇風機

蒸し暑さに負けて出した。
3台組み立てていたら汗だくに(^^;



リニア中央新幹線

静岡県が悪者にされているリニアの件。川勝県知事がごねている理由を見てみましょう。
・環境破壊された上に、市民の生活水が脅かされされる
・出来たら新幹線の乗客減少=観光客の減少
・人手不足のこの時代に雇用の増加はむしろマイナス
・他の県には金が支払われるのに、静岡だけ無し
そりゃあ反対するよね。静岡県にはデメリットしかないもの。

「アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー」編:S-Fマガジン編集部(ハヤカワ文庫JA)

百合――女性間の関係性を扱った創作ジャンル。創刊以来初の3刷となったSFマガジン百合特集の宮澤伊織・森田季節・草野原々・伴名練・今井哲也による掲載作に加え、〈ソ連百合〉として話題の南木義隆「月と怪物」、新鋭女性作家の共作「海の双翼」、『元年春之祭』の陸秋槎が挑む言語SF「色のない緑」、そして『天冥の標』を完結させた小川一水が描く新作宇宙SFの全9作を収める、世界初の百合SFアンソロジー


思ってたのと大分違った。
自分の中の百合の定義が狭いのか、SFの定義が狭いのか、百合とSFの間にorが入ったアンソロジーという印象。
SFって当然「少し不思議」じゃなくて「サイエンスフィクション」の方ですよね? ラノベレーベルじゃなくてハヤカワ文庫さんだし。なのに幽世とか妖怪とかオカルト系の話が半分を占めているのはなぜだろう。台詞の単語が理系なだけで、ただのグロテスクホラーだったのもあるし。「百合SF」の響きから想像していた形で出てきたのは、最後の「ツイスター・サイクロン・ランナウェイ」くらい。
でも、百合作品は百合作品、SF作品はSF作品として読めば面白い作品がいくつもある。
百合作品として最もお気に入りなのは
女学院の独特な空気のなかで、少女の儚さと死妖という存在の怪しさと姉妹愛で濃厚な百合の雰囲気を醸し出していた「彼岸花」――吸血鬼の話でSF感ゼロだけど。
SFとして面白かったのは、
次々とAIに仕事を取って代わられている近い未来を描いた社会派なSF「色のない緑」――女性三人の話ってだけで、百合感ゼロだけど。
アンソロジー作品なので、合う合わないは絶対あるとは思っていたが、根本的な定義が合っていなかったのは予想外。でも出会えてよかったと思える作品があったし、それで良しってことで。

6/26の雑談

不眠

稀によくある眠れない期間に入ってしまいました(´・ω・`)
二重の意味で頭痛い。



採れたては旨い

家庭菜園のキュウリが採れ初めました。
月曜から今日まで3本、2本、3本と順調そのもの。
インゲンももうすぐ採れそう。
ただ、明日明後日の天気(特に風)が心配だ(´・ω・`)



サッカーの結果

コパアメリカ
日本 1-1 エクアドル
女子W杯
日本 1-2 オランダ

両方とも「やっぱりね」としか。
コパは何故か勝って当然みたいな空気になっていたので、こうなる気がしてた。
女子は単純に弱いので。



参院選7/21

入れたい人も党もない。でも権利の放棄はしたくない。
当選してほしくない人や党にマイナス票を入れられる制度できませんかね。
問責と不信任案だして仕事してる気になってる給料泥棒たちを根こそぎクビにしたい。

「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 後編」武田綾乃(宝島社文庫)

久美子たち三年生部員にとって最後となる吹奏楽コンクールを控え、さらに練習に熱が入る北宇治高校吹奏楽部の部員たち。波乱のオーディション、滝の方針への疑念、自身の進路……苦悩する久美子は、ついに麗奈とぶつかってしまう。はたして久美子は最大の試練を乗り越えられるのか? そして、最後のコンクールの結果はいかに――!?
大ヒット吹部青春エンタメシリーズ、ついにクライマックス!


三年生、最後のコンクールへ。正真正銘のクライマックス!
決まらない進路と決まっていく周り、日に日に高まる部内の不協和音、麗奈との喧嘩。焦り、苛立ち、もどかしさ、無力な自分への怒りと、いるいろな感情が渦巻いて苦悩する久美子の様子に胃が痛くなる思いだった。そこに変わることへの怖さ、高校生活と部活が終わっていくことへの寂しさも加わって、どの場面でも一喜一憂、感情が忙しかった。
前巻でいっぱい撒かれていた地雷原のうち、爆発したのは「真由」。コンクール毎にオーディション+実力のある三年の転入生の時点でこうなることは分かっていたが、真由という毒がここまで長引くとは。奏ちゃん分かるよ。俺もこういうタイプ嫌い。本人は善意のつもりで他人の神経を逆なでしてくるところが特に。
と、トラブルメーカーに毒を吐きつつ読み進んでいたら、あるシーンで気付かされた。このユーフォソロをめぐる久美子と真由の争いは、1年の時のトランペットソロの顛末と同じなんだ、と。そういう視点で見ると、他の問題にもこれまで部内で起きた問題と似たところがあって、これは久美子の集大成の物語なんだと実感する機会になった。
それを気付かせてくれた二人の先輩のお宅訪問から、涙腺を刺激するポイントのオンパレード。
悩んでいた進路がするっと思わず出た言葉で決まる瞬間。悩みぬいた末に出た答えと部員たちへの演説。最後の演奏と結果発表。いったい何度泣かすんだ。もちろん、1年生からずっと見守ってきた久美子だからこその、感情移入の深さ故なんだけど。長期シリーズだったからこその味わえる感動だ。彼女の苦労が報われたラストと、読み終わってから見た表紙の笑顔に感無量。
ただ、大きな心残りが一つ。どうして卒業式が飛ばされてるんです? 送る側の卒業式2回でボロ泣きしてきたので、久美子の分がないのは納得いかない。
でもまだ短編集が、1年次2年次の長編後にあったから今回もきっとあるはず。
卒業式以外にも、久美子の大学時代に、その後の麗奈との関係、北宇治の新部長は?(順当なら梨々花かな)、秀一との関係は?(エピローグではまだ結婚はしてなかった)、等々気になることがあり過ぎて出てくれないと困る。

「リベンジャーズ・ハイ」呂暇郁夫(ガガガ文庫)

人体に有害な『砂塵』によって、文明が一度滅びた近未来。異能を操る『砂塵能力者』たちが出現し、力を持っていた。“掃除屋”チューミーは、因縁の復讐相手・スマイリーの行方を探りながら、殺しを請け負っている。あるとき、治安維持組織の『粛清官』に身柄を拘束されてしまったチューミー。だが、意外な提案を受け、一時的に協力関係を結ぶ。バディとしてあてがわれたのは、「優秀だがワケあり」のシルヴィ。出自も性格も正反対の二人は、反発しつつスマイリーを追うが……。

第13回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。


文明が一度滅びた近未来での異能アクション。
ダークヒーローな主人公がとても良かった。
存在のミステリアスさ。常に冷静沈着に見えて、心中では復讐の炎を燃やし続ける暗い熱さ。能力者同士の対決が当たり前の中で、唯一異能なしで渡り歩く戦術眼と度胸。文句なしで格好いい。
また、能力の強弱よりも能力の使い方が勝敗を分ける異能者同士の戦いに、異能なしで相対する主人公は見極めを重視する戦い方。どちらにしても駆け引き重視のバトルシーンが面白い。
その異能バトルだけでなく、追う側と追われる側の駆け引きあり、読者を騙すミスリードありで、その分厚さに違わぬ読み応えのある作品だった。
それだけに最後が弱いのが残念。
ラスボス、あれだけ引っ張ったのにどうしてあんなに最期があっさりになってしまたんだ。
もう一つ、主人公が途中からいい人になっていくのが寂しい。あの復讐鬼にはダークヒーローのまま散るか去るかしてほしかった。あれだけの怨念情念を感じたのに。まあ、こっちは好みの問題だけど。
それでも新人らしからぬ完成度と、読ませる力のある作品だった。