いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



護くんに女神の祝福を!〈9〉 (電撃文庫) & シゴフミ―Stories of Last Letter (電撃文庫)

護くんに女神の祝福を! 9岩田洋季電撃文庫
オンライン書店ビーケーワン:護くんに女神の祝福を! 9

まだまだ南の島から吉村護です。生徒会親睦旅行で訪れたパラオで、ドキドキのマリンスポーツや満天の星空デートを楽しんでいたのですが、いきなり大事件発生です。島で仲良くなったアメリカから遊びに来ているマリィちゃんと由良理ちゃんが誘拐されてしまいまして──。は、早く助けなくちゃ。でもその前に絢子さんにも知らせて・・・。と、その時、「大丈夫だ。俺たちは奇跡を起こす方法を知っているんだからな。違うか?」
えっ、ええっ!? この人はまさか──!? 幼い頃にビアトリスの奇跡を教えてくれた……え、絢子さんの叔父さん? ということは……どういうことですかぁ!?
いえ、それより早く助けに行かなくちゃ。

事件は一先ず解決したし、一番気にかかっていたエメレンツィアも丁寧に描かれていて立ち直るシーンやその経緯は秀逸だった。これで三人の関係を崩さず前に進めそうで一安心。
でも何か足りない・・・・・・あっ!絢子の嫉妬がない!!からかわれて怒ってる姿もない!!!
内容がちょっと真面目で読んでて顔がニヤニヤする場面が少ないから、なんとなく物足りない。
その他の内容も微妙(^^;
今回は由良理があちこちで暴走し物語を動かしているんだけど、彼女の性格がどうしても好きになれない。
そのため非常に冷めた目で見てしまい、物語を佳境に向かわせるために由良理を都合よく動き回らせているようにしか見えなかった。
誘拐されてるとことかいくらなんでも緊張感がなさすぎ(ここはマリィちゃんのせいもあるが)。そのせいで救出の時の戦闘もあまり緊迫感が感じられなかったのが残念。
まぁ今回は今後に向けての伏線張りみたいなところがあったから、うつむいてたエメレンツィア前を向けただけでよしとしよう。
ただエメレンツィアと同様に傷ついてるはずの明日香が放置されてるのが不憫でならないが。


ビアトリス関係の伏線をいっぱい張っていったし、護はパワーアップしエメレンツィアは復活して次の展開は楽しみ。




シゴフミ雨宮諒電撃文庫
オンライン書店ビーケーワン:シゴフミ

その少女が身につけているのは、不思議な杖と鍔付き帽子に、レトロな郵便配達夫を思わせるがま口の鞄。その鞄の中に入っているのは、ただの手紙なんかじゃない。黒い切手が貼られたその手紙は、想いを残して逝ったひとが大切なひとへ宛てて書いた手紙……死後文(シゴフミ)。
今日も少女──文伽(フミカ)は相棒である杖のマヤマとともに死後文を、ひどく優しい奇跡を運ぶ。
──亡き家族へ、友人へ、恋人へ。
想いを乗せた最後の手紙を。
雨宮諒が贈る、切なくて優しい物語。


知ってる人が読んだら誰しも思うだろうことをあえて言う


これなんてしにがみのバラッド。以下一応伏せ
というか、ここまでひねりがなくて大丈夫なの?
自主的なのか仕事なのかの差はあるものの死者のメッセージを伝えるという行為は一緒だし、仕事を脱線して相棒に小言を言われるとかその他諸々の相棒との関係も一緒。お節介で可愛いらしい容姿に落ち着いた雰囲気はモモそのものだし、相棒の喋り方はダニエルそっくり。おまけにあらすじの最後が切なくて優しい物語って(^^;
まさかハセガワケイスケがまた迷走をはじめちゃったから雨宮諒に白羽の矢を立てたとかないよね?(ナイナイ

1話目は青臭くて痛い話だったけど、2話目3話目は切なくて泣けるいい話だった。でも内容自体は嫌いじゃないのに、あまりに似過ぎているのが引っかかって素直に楽しめなかったのが残念。
と、文句を言いつつもこの人の作風は好きだから次も買っちゃいそうだけど。
また「夏月の海に囁く呪文」みたいな作品書いてくれないかなぁ