いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「答えが運ばれてくるまでに 〜A Book without Answers〜」時雨沢恵一(メディアワークス文庫)

答えが運ばれてくるまでに―A Book without Answers (メディアワークス文庫)
答えが運ばれてくるまでに―A Book without Answers (メディアワークス文庫)

どんなに考えても、今は答えが出ないことがある。時間が経たないと、未来にならないと、分からない答えがある。それまでに――答えが運ばれてくるまでに、僕達は、何を考えるだろう?
ドキリとする、ウルッとする、元気になる、胸が痛む、納得する、空を見上げたくなる、そんな“心が動く掌編”20篇を収録。シリーズ累計750万部の「キノの旅」コンビが贈るオールカラー絵本第3弾。答えがいつかあなたに運ばれてきますように。

大人の絵本、第3弾



人生について考えさせられる20の掌編。
今回一番訴えたかったのは物事のとらえ方についてではなかろうか。
一度立ち止まってみること、一歩引いてみること、視点や見方を変えることの大切さをキノの旅の作者らしい表現で綴られている。その象徴的な話「みえるものとみたいもの」が最も印象に残った。
他には強烈なわびしさを感じる「やくめ」、幸せな気分になれる「なまえ」が印象に残った。後半は長めでキノ風味な作品も。
日々に追われて周りが見えなくなっている時に読んでもらいたい作品。

ベン・トー #12(最終回)



うなぎ食いたい!!
食力をそそる色艶に湯気。うなぎ弁当の作画が最高だった。さすが弁当美術監督なるものがあるだけのことはある。


で、注目の最終回は……
う〜ん、こういう展開にしたのか。
佐藤の腹の虫からの共鳴というのも狼らしくて嫌いではないんだけど、原作の展開に比べると狼たちに感じる気持ちよさ清々しさが大分薄れちゃってるんだよなぁ。「(協定を)結ぶわけないでしょ。全員笑うのを堪えてて喋れなかっただけよ!」から続く狼たちの大バカで熱い言葉の数々がカットされているのが痛い。
その分、佐藤のカッコよさは120%でそこは満足。変態は誉め言葉だ!w
ラストはいつものようにED流して先輩としっぽり




〜アニメ全体の感想〜
まずは
「作者(アサウラさん)が潰されなくてよかった」
SD文庫のアニメ化は作者が不幸になる例ばかりなので、これが一番の危惧だった。
BD、DVDの売り上げは知らないが、ニコニコの視聴数やコメントを見る限りではそこそこ成功と言えそうで、SD文庫のアニメ化=黒歴史のジンクスを回避してくれたことに一安心。
出来の方の個人的な意見としては
佐藤の一人語りによる脱線こそベン・トーの真髄だと思っている自分にとって、原作の面白さの半分近くは削られてしまったよう気はしているが、それでもネタの宝庫でよく分からないけど無駄に熱くて面白いベン・トーらしさは出ていたかと。尺の問題もあり、削って欲しくないネタや台詞がいっぱい削られていたのは心残りだが。
でもその分、作画は凄かった。
クオリティを落とすことなく、エロと弁当の両面では目で楽しませてくれた作画監督、アニメーターさん達には感謝。
大好きなシリーズで期待より不安の方が大きいアニメ化で、ニコニコで視れると知っても「1話で絶望して切るんじゃないか」と思っていたのだけど、いい意味で裏切られて良かった。文句を言いつつも最後まで視て楽しむことが出来る作品だった。アニメを1クール見続けたの久しぶり。