いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー (8)」佐島勤(電撃文庫)

続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(8) (電撃文庫)

サンフランシスコが一夜にして暴動に包まれる。FAIRのロッキー・ディーンが古代遺跡から入手した大規模魔法によって引き起こされたのだ。
事態を重く見たスターズ総司令官のカノープスはこの状況を打破するために達也に助けを求める。時を同じくしてFEHRのレナ・フェールからも達也に協力の依頼が。
魔法師の海外渡航は制限を受けるものだが、今回は四葉家の影のスポンサーでもある東道の同意も得ることができた達也。
何故か国防軍渡航に協力的で、出国の準備は整った。達也はまたUSNAへと渡り、サンフランシスコの危機に挑む!


表紙はレナ? 服装含めてもっと子供っぽいイメージだったが意外と大人っぽい。まあ、実年齢を考えるとこれでも幼いのかな。
さて本編は前半は再びアメリカへ、後半は富士の樹海で発掘作業と、レリックの話を軸に西へ東へとワールドワイドで忙しかったお兄様。
おかげで構ってもらえない深雪さんが御立腹。開幕2挿絵がほおを膨らませた不機嫌顔の深雪という珍しい状況。
そんな深雪の機嫌を含めて、強くなりすぎてしまった主人公をどうにかしてピンチしよう、苦労させようと作者が四苦八苦している様子が窺えるストーリー構成だった。
前半は、前回ラストで(一応)今シリーズの主要な敵・ディーンが得た古代魔法[ギャラルホルン]の話。
魔法の解除だけではどうにもならない扇動に使える精神魔法は確かに厄介ではあるが、深雪以外の人間がどうなろうと興味のないお兄様に果たして効果はあるのだろうか。ガスでもなんでも使う決断はすぐ出来そう。最悪一帯を更地に出来るわけだし。
後半は遺跡に仕掛けられた罠に、自ら飛び込み精神世界に囚われる。
ここではまさかの魔法封じての肉弾戦。久しぶりに達也のガチバトルが読めてこちらは面白い。
学生の身分を外れ(一応まだ大学に在籍しているが)、競技でルールという枷を付けることが出来なくなったから、達也を苦戦させるには、というか達也本人を戦わせるには、こういったVR空間みたいな特殊条件に置くしかないないだろう。下手に互角の相手を登場させてガチバトルしたら地球がなくなりそうだもの。
次はディーンが刺客として日本に来るらしい。対達也では明らかに役者不足だが、どうなる?