外見はコワモテ・中身は気弱な乙女という中年男メィズは現在失業中。可憐な(ただし外見だけ)娘ベルに蹴り飛ばされながら仕事を探す毎日だ。そんな彼らの前に、あまりに好条件なアルバイトが舞い込んできた!
釣られて向かった先は、なんと世界征服を目指す魔王の居城!!
そうメィズの仕事とは――かの恐ろしき魔王の“影武者”だったのだ……。
抱腹絶倒間違いなしの第一回幻狼大賞優秀賞受賞作、いよいよ登場!
強面だが中身は乙女チックな親父メィズとハイスペックな娘ベルを中心としたハイテンションドタバタコメディ。
ここ最近読んだコメディの中では一番面白かった。
まずは奇妙な世界観に惹かれる。
人間族に妖精族、巨人族などなど各種族が入り乱れ、数多くの魔王が世界征服を目指す世界・・・のはずなのに雰囲気はほのぼの。また、ちょくちょく挟まれるネタが生活密着型だったり日本のRPGの常識だったりと、世界観とはギャップがあるのに妙に馴染みやすいネタに笑ってしまう。
キャラクターがこれまた愉快。有能なキャラが多いがどいつこいつも笑える/残念な弱点が2つも3つもあって愛嬌がある。
その世界観の中でこのキャラたちドタバタと動き回る物語は、城に討伐にくる勇者返り討ちにしたり隣国と戦争までするのに、どこまで行ってもホームコメディ風。
そして後半はまさかのベルによるオレツエー小説。
初めからなかなかのハイスペックぶりを披露してくれる彼女だが、後半は完全に無双状態。そこらの魔王より強そうな離れ業の連続にオイオイと思いつつも、それで目の前のピンチを次々となぎ倒していく姿は痛快の一言。ベルさんマジパネェっす。
幻狼ファンタジアノベルスの優秀賞ということで、重厚な世界観のファンタジーを求めるとそのテンションについていけないかもしれないが、コメディ好きなら間違いなく楽しめるであろう一冊。オススメ。
