いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ベン・トー9 おかずたっぷり!具だくさん!香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる305円」アサウラ(スーパーダッシュ文庫)

ベン・トー 9 おかずたっぷり!具だくさん!香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる305円 (スーパーダッシュ文庫)
ベン・トー 9 おかずたっぷり! 具だくさん! 香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる305円 (ベン・トーシリーズ)

半額弁当争奪バトルに青春を賭けるHP同好会は正月明け、冬の合宿へ向かう。槍水仙の愛妹・茉莉花も同行し、佐藤の心は密かに躍る。しかしその合宿地では元HP部の《大厄の闘牛士》と呼ばれる狼が待ち受けていた。彼は槍水と深い因縁があるのだと言うのだが…。さらに佐藤たちは《ギリー・ドゥー》こと禊萩真希乃とも再会を果たし、田舎のスーパーは激闘の最前線と化す! そんな中、茉莉花と佐藤がゲレンデでアクシデントに遭ってしまい、そして…!?
雪山に響く狼たちの咆哮! 香辛料が青春にピリッと効く、庶民派シリアスギャグアクション、第9巻!!


やっぱ《カペルスウェイト》なんてダメだ。奴には《変態》こそ相応しい。
クリスマスが終わって迎えた正月、雪山合宿編はまさかの佐藤洋やりたい放題。
クリスマスが仙といい雰囲気で終わってしまった上にストッパーの著莪も居ないもんだから、スタートから佐藤一人語りのオンステージ。仙、茉莉花、真希乃、セガと次々と毒牙にかけていく佐藤の妄想に苦笑失笑時々爆笑。ちなみに我らが先生は平常運転ですので対象外です。ブレないねw
極めつけは夜のロッジ。
白梅様がかわいい……だと!? ドS+エロのいつもの路線を走っていたと思ったら、突然の萌え移行に茫然そして歓喜。姉妹の挿絵(139ページ)の破壊力といい萌えポイントが集約されていた。あ、その後で吐血して羨ま死できそうなシーンもあるのでご注意を。
と、ここまでならいつも通りの佐藤なのだが今回は一味違った。何このイチャイチャ率。小学生と密室で抱き合ったかと思えば、中学生にあーんだって? しかも、両方とも○接○スとか……犯罪の匂いしかしないぞ、おいw
一方、合宿の本命?のスーパーでは、HP部だった頃の話がちらちら顔を覗かせつつのOB・秋鹿との戦い。
相変わらず劇的かつギリギリの佐藤の戦い方は熱かったが、今回はそれよりも敵役にいつも以上のドラマがあった。
最後の戦いまでは、実力は十分なのに急に弱気になったりバトルの熱さにそぐわないつまらないことを言い出したりと不安定な人で、噛ませ犬?と思っていたのだが、、、すみませんでした!
過去の敵の中で最も仲間想いで優しい人じゃないか。真意が分かってから彼の戦い方や言葉を思い返すと切なさが募る。また彼が佐藤に教え、託したものでこのシリーズの終着点が見えてきた気も。vs槍水になるかvs金城になるか。
バカ方向にも熱方向にもアウトな方向にも、いつも以上に佐藤がぶっ飛んでて面白かった。
そうそう弁当は……弁当よりも豚汁が一番おいしそうだった。レッドGJ! 中二病を拗らせすぎて転落人生まっしぐらだがガンバレ!