いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「つくも神は青春をもてなさんと欲す3」慶野由志(スーパーダッシュ文庫)

つくも神は青春をもてなさんと欲す 3 (スーパーダッシュ文庫)
つくも神は青春をもてなさんと欲す 3 (集英社スーパーダッシュ文庫 け 1-3)

物の修理が得意な高校生・物部惣一は、極貧の「小槌飢饉」を解決し、茶釜の付喪神・つくもたちと茶を啜る日々を取り戻していた。学園祭が迫ったある日、普段は常識的な生徒会長が乱心し、「学園祭で人気投票を行い、最下位は生徒会の奴隷」というサバイバル企画を決めてしまう。さらに隣のクラスの久岐波海人とトラブルになり、鞘音との交際を懸けた学園祭投票数勝負が勃発。惣一はクラスメイトの姫風紫乃と共に実行委員を引き受け、必勝に燃えるのだが、姫風は挙動不審で…!? 道具を愛する少年と小さなつくも神が贈る心の“おもてなし”学園ファンタジー、第3幕!


鞘音を賭けた学園祭出し物勝負!ということでラブコメに、主に鞘音との仲の進展を期待したのだが、
ほとんど何の波風も立たなかった……あれ?
それもそのはず、金持ちイケメンで高飛車で傲慢という典型的なヤな奴として登場したライバル・久岐波が、鞘当にもなれない不遇キャラだったからだ。
鞘音には一切相手にされず、今回のゲストヒロインにも心中で馬鹿にされ、学園祭本番では肝心なところでコケる。そもそも、こんなに登場回数が少なくてはヤキモキさせる展開に持ち込みようがない。最後に敗者として「ざまあm9」される姿が気の毒になるくらい哀れなキャラクターだった。
……まあ、今回のメインは彼じゃなくてコミュ障少女・姫風だったからね、仕方ないね。
今回も惣一のスケコマシ力飾らない性格と優しさ&つくものお茶が大活躍。ハートフルな話は文句なし。安心して読める。
ただ、こっちもトラブルが起こっても鞘音や誰かが乱入とかそういうハプニングが無いからラブコメ的には動かないんだよなあ(^^;
今回も心温まるいい話ではあった。でも色々用意してあったラブコメ要素がほとんど生かされずに終わってしまったのが残念。