いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「七つの魔剣が支配する IV」宇野朴人(電撃文庫)

再び春を迎えたキンバリー魔法学校。オリバーたちは二年生に進級し、新入生たちの世話に新たな科目、それぞれの修行と、目まぐるしい日々を送っていく。
そんな中、ひとときの休息を魔法都市ガラテアで過ごすことにした6人。空飛ぶ絨毯に乗り、買い物や名物料理を楽しみ、魔法生物のお店を覗く。が、穏やかな時もつかの間。夕食の席でキンバリーの校風を嫌うフェザーストン魔術学舎の生徒たちと揉めてしまい――。
一方、シェラの父であり、ナナオをキンバリーに迎えた教師・セオドールにも接触を受ける。暗い夜道を歩きながら、彼は突然「この街には人斬りが出る」などと不穏なことを言い出し――。


二年生編開幕。一年の終わりの生死を分けた緊迫の事件が決着し、平和な(当シリーズ比)日常を描く4巻。
とてもえっちだった。
魔法使いの子作りの考え方が出てきたり、サキュバス退治だった事件の後遺症に悩むオリバーを介抱するシェラだったり、否応なく性を意識させる内容に驚いた。シェラによる治療は、ラノベでここまでやりますかって感じ。朝チュン表現よりよほど艶めかしい。
そんなシェラの意外な一面が見られたのも含めて、二年生になった六人の変わらぬ友情とそれぞれの成長が見られた回だった。
中でも戦闘能力で劣る三人の成長が目覚ましいくて頼もしい。一人で生き残る術を身につけようとするガイ、専門分野の知識を着実に伸ばしているピートとカティ。さて、この成長がオリバーの本願にとっての助けとなるのか、妨げになるのか。
で、そのオリバーは、、、ギャルゲーの主人公してた。いや、下級生ばかりか男まで関係なくたらしこんでいたからそれ以上か?w ナナオとピートは分かってたけど、カティやガイまでこの対応なの? カティは完全に口説きに行ってたよね? これは表の顔でも(ハーレム)キングになろうとしていますね、間違いない。
なんてお気楽ムードは恐らくここまで。平和な日常の中にも不穏な気配はいっぱいで、次は何がどれだけ起こるのか。
次回、1巻以来の復讐劇。目標が達成できるかよりも、何を失うのかが見もので怖い。