いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「魔法少女育成計画「黒」」遠藤浅蜊(このライトノベルがすごい! 文庫)

市立梅見崎中学校、2年F組。女子ばかり、わずか15人だけで構成された奇妙な学級だが――
その実態は「正しい魔法少女」を育成するために作られた「魔法の国」肝煎りの特別クラスだった!
選ばれたエリート魔法少女たちは未来への希望に顔を輝かせるが、その陰には邪悪な意思が蠢いており……。
魔法少女スノーホワイトのサーガも、ついに佳境へ。「魔法少女狩り」の新たな獲物とは!?


久々のシリーズ本編の新章は魔法少女たちの学校!?
魔法少女たちが集められた教室は、美しい少女たちが机を並べ、学業と交友に勤しむ華やかクラス。……なんてことは当然なく、魔法少女たちが所属する派閥と、魔法の国の機関である情報局や研究部による勢力争い、権力争いの最前線だった。真面目にやっていると思われる授業が、魔法少女の犯罪史だけというのも流石の黒さ。
いつもどおり複数の魔法少女の視点で話が進むのだが、気になる上司の目、級友という名の敵との腹の探り合い、短気な魔法少女の武力に訴えられない鬱憤などなど、誰の視点でもしがらみの話ばかりされる焦れる展開。その中で、振り撒かれていく悪意の伏線が相変わらずえげつない。まあ、どうせみんな〇ぬから、学級外のスノーホワイトとフレデリカの動きだけ追っておけば大丈夫なような気もするが(苦笑)
戦いがなく少々退屈な第八章を抜けて、第九章で始まった模擬戦(事故付き)でようやく本領発揮!
かと思いきや、誰も死ななかった……だと? イキってるメピス辺りは真っ先に逝くんじゃないかと思ってたのに。
というわけで、大変欲求不満な新章スタートだった。まあ、導入部だから仕方がない。
犯罪史やホムンクルスで、対過去の魔法少女を匂わせているので、ヒーローものの胸熱展開来る? いや、いつもの捻くれ方からすると、そうストレートにはやってこないんだろうな。さてさて、果たして何人生き残れるのだろうか。