いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「地獄に祈れ。天に堕ちろ。」九岡望(電撃文庫)

イカしたDJが今回のお話を大紹介ダ!
ミソギ、死者。嫌いなものは聖職者。犯罪亡者をぶっ飛ばし、地獄の閻魔に引き渡す荒事屋にして……シスコン(妹)!
アッシュ、聖職者。嫌いなものは死者。聖なる銃をぶっ放し、死者を殺しまくる某機関の最終兵器にして……シスコン(姉)!!
こんなチョイとオカしな二人が、何の因果か亡者の街『東凶』で、「魂」に効くヤバーいおくすりを大捜索! 聖職者嫌いの死者と死者嫌いの神父が!? ハッ、まったく上手くいく気がしてこないね!
しっかーし! 困ったことにこいつら実力は折り紙付き。おいおい頼むから『東凶』を壊滅させちまったりすんなよ!?
電撃小説大賞《大賞》受賞作家・九岡望が贈る、ダークヒーロー・アクション!


亡者の街『東凶』を舞台に、イカシた亡者・ミソギとイカレた聖職者・アッシュが暴れまくるバトルアクション。
B級ゾンビ映画×火薬多めなド派手な痛快アクション。
こまけーことはいいんだよ!と言わんばかりに、バトルシーンに次ぐバトルシーン。そのスピード感は流石『エスケヱプ・スピヰド』の作者。密度はそれ以上。アクションだけでかなりの満足感がある。
また、口調に似合わず情に厚いナイスガイなミソギと、元殺人鬼らしいぶっ飛んだ思考のアッシュのキャラクターの濃さも魅力。
ただ一つ残念なのが、バディ感が薄かったこと。
平時だと仲悪いけど、いざ事が起これば阿吽の呼吸で無類の強さを発揮するのが、この手のバディアクションの醍醐味だと思うのだが、ミソギとアッシュは戦闘時でも仲が悪くて、相乗効果は感じられなかった。最後の戦いはアッシュが歩み寄ってきたけれど、まだそれぞれがそれぞれの仕事をしてる感じ。
即、次の事件勃発!なエピローグだったので、続きそう。“最強コンビ”を披露してくれるのは次回以降に期待ということで。