いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「世話好きで可愛いJK3姉妹だったら、おうちで甘えてもいいですか?」はむばね(富士見ファンタジア文庫)

27歳の社畜・人見春輝が酔った勢いで拾ったのは、可愛いけど個性的な神待ち家出中の3姉妹だった。
「春輝さん。私、処女なので! ……ま、ま、間違えました!」
しっかり者なのに春輝の前ではテンパりがちな長女、小桜伊織。
「ブラくらいで真っ赤になった! 春輝クン、可愛いんだー?」
いつもウザ絡みで、からかい上手(自称)な次女、小桜露華。
「大人の女性であるわたしが、ハル兄に女心を教える」
大人ぶりたいお年頃だけど行動はお子様な三女、小桜白亜。
なし崩しで始まる同居生活だけど、残業も減って食生活も改善。灰色の毎日が彩り始める――くすぐったい日常ラブコメディ。


社畜SEの成人男性と高2から中3までの三姉妹との奇妙な同居生活を描くラブコメディ。
エロ漫画では定番の、ラノベとしては際どいテーマ「神待ち」からスタートするオープニングに、なかなかに攻めた口絵。どんなエロコメが出てくるのかと思ったら、
流石は『魔王さんちの勇者さま』のはむばね先生、見事なハートフルホームコメディに仕上がっていた。広い家に一人暮らしの主人公と、ある理由で親は不在で家にも住めなくなった三姉妹。人の温かさに飢えた彼らが、少しずつ自分たちらしい家族の形を作っていく物語。エロ?なんですかそれは?
いやまあ、それなりに肌色成分もラッキースケベもあるのだけど、
長女は性知識が全然ない上にテンパる性格で、悪戯で色仕掛けしてくる次女もちょっと攻めれば赤面し、三女に至っては末っ子気質全開の甘え方。三人とも微笑ましさしか感じないのよね。
登場人物がみんな、根がいい人でいい子なので、読んでいてとても気持ちのいい話だった。
一先ずではあるけれど、当面の窮地は去って、一番奥手な子が告白を済ませたので、次はまったりな日常を味わいつつ、同僚女性を含めた五角関係(実質は三角関係になるんだろうけど)に期待。