敵の本拠地アルティメギル基地へと突入したツインテイルズ。しかし全てのエレメリアンを統べる者・首領との死闘の果てに、テイルレッドは敗北した。そして今度は逆に首領が、総二たちの世界への総攻撃を宣言する。首領を倒すためには、自分自身のツインテールを犠牲にするしかない――総二は悲壮な決意を胸にする。愛香は、トゥアールは、慧理那は、イースナは大好きな彼に寄り添い、最後まで一緒に戦うことを誓う……。ツインテールを愛する全ての者たちよ、今こそ見届けよ。観束総二、テイルレッド。最後の――テイルオン!!
決着！の19巻。
メンバーの心残りを一人ずつ消化していく穏やかでどこかシリアスな日常パートに始まり、遠く離れた地で出会った仲間の助太刀や死んだと思っていたライバルの復活。ヒーローの挫折と復活。全員集合の変身シーン……「あるんだろうな」が全てあるベタと王道を詰め込んだ最終決戦だった。ゆえにこれ以上なく熱い。
ここまで一つ一つ丁寧にお約束を熟していってくれると、この先どこで盛り上がるのか、どうやって昂っていくのかが分かりやすく、気持ちを持っていきやすい。おかげで最高のテンションで最高のシーンを読むことが出来た。タイトル回収のタイミングが完璧。ここでスイッチを入れろと言わんばかり。
また、強敵との思い出や意外な組み合わせの共闘など、ツインテイルズがここまでの戦いで培ってきた友情や縁が見える、最後らしい演出がにくい。愛香とトゥアールが、別の戦場でお互いへの友情を語るシーンが一番のお気に入り。
まあ、やっぱり最後まで使われる単語は頭おかしいんだけどね。読み終わって冷静に考えると、ゼロのツインテールってただの禿じゃね？とか、双房合体て合体したら一房に？こわっ！とか、ツッコミどころは無限に出てくるが、気にしてはいけないｗ
「ツインテール」と「特撮ヒーロー」の二つを軸に、エレメリアンたちの属性やヒロインたちの総二への愛など、好きなものを好きだと大声で叫び続けたシリーズが、作者の熱量が一切衰えることなく最後まで走り切ってくれた。感無量です。
水沢先生、お疲れ様でした。熱くおかしな物語をありがとうございました。
なにやらもう一冊あるあるようで。後日談エピローグかな？ 完全無欠の変態ヒーロー総二よる、オールハッピーなハーレムエンド。ありだと思います。
