いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「中古(?)の水守さんと付き合ってみたら、やけに俺に構ってくる」弥生志郎(講談社ラノベ文庫)

恋愛なんて非効率だ――そんな恋愛アンチを掲げる十神里久は、ある日の放課後に探し物をする女子生徒を見かけ声をかける……が、「もしかして、私とえっちなことしたいの?」「え……はい?」
その水守結衣という少女は、ビッチとして有名な学校一の嫌われ者らしい。その後、里久は水守の探し物を手伝ったことをきっかけに仲良くなり、後日告白されることになる。恋愛を諦めた里久は水守に対して恋愛感情はないが、とある理由から彼女のために付き合うことになり……!? 「ねっ、ちゅーしよ?」「里久君成分が不足してるから補充しなきゃ」「さっきから、ずっとどきどきが止まらなくて」
中古(?)で一途な女の子との青春ラブコメ、始めました。


トラウマから恋愛を忌避している少年と、ビッチ疑惑で孤立している少女の青春ラブコメ
ブコメとして攻守のはっきりした分かりやすいスタイルと、他人の噂に流されない信念を持った主人公は好感が持てる。
一方で、ヒロインがビッチ疑惑を否定しない理由が明かされなかったり、主人公のトラウマが恋愛できなくなるほど強いものとは思えなかったりと、キャラクターに感情移入しきれないところがあるのはマイナス点。
という客観的な感想は置いといて、申し訳ないが合わなかった。
問題は読んでいて違和感を覚えることが多いところ。
会話の繋がりがおかしかったり、返事のピントが合ってないと感じるところがいくつもある。また、風紀委員長が出来る人の判断基準や、悪手の上に悪手を重ねているようにしか見えないのに何故か事態が好転しているラストなど、理解に苦しむ点が多い。
違う常識の世界に飛ばされたような気分、は流石に言い過ぎだが、作者と自分とで「普通」の認識がズレていると感じるところがかなり多かった。
キャラクターやスタイルは好みなのに読んでいると違和感ばかりが積み重なっていく、読んでいて不安になる一冊だった。