いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「地獄に祈れ。天に堕ちろ。2 東凶聖餐」九岡望(電撃文庫)

みなさーん! 今日も元気に死んでますかー!? 亡者の街『東凶』より、DJフルソマがお送りいたします。
さて相変わらず悪人亡者を狩りまくる『死神』ミソギですが、なんと彼の前に 『本物の死神』が現れたというじゃありませんか。しかも超美人。いいなぁ!
更に『人喰い鴉』のアッシュが、なんでも食べちゃう最悪の『亡霊兵器』を追いかけてきたというから、この街はまたかなり物騒なことになりそうです。
……というかこれ、東凶壊滅のフラグビンビンでは?
じゃ、じゃあDJはお先に逃げるので、みなさん代わりに世界の終わりを見届けてくださいね! グッバイ!!
……え? 逃げ場、無いの!?


亡者が溢れかえる都市・東凶を舞台にしたバトルアクション第2弾。
またしても一冊丸ごと全身全霊でアクションしていた。
しかも今回は本物の死神は出て来るわ、英国のエージェントはわんさか追加されるわで1巻を超える乱痴気騒ぎ。銃の性能とか、術の様子とか把握しきれないところは多々あるけれど、そんな細かいことは気にしてはいられない。息を付かせぬ連戦と怒涛の勢いに圧倒される。俺はアクションを書きたいんだ!という作者の熱い想いがほとばしっていた。こういう情熱が伝わってくる作品は大好きだ。
それに加えて、1巻よりもミソギとアッシュのバディ感が出ていたのが良かった。
久しぶりの再会を果たした瞬間から、口では罵り合いながら戦いでは息ピッタリ。そんな二人が背中を預け合う瞬間(91ページの挿絵の瞬間)に感じるロマン、最高です。その後の物語を否定するみたいな言い方になってしまうけど(もちろんそんなつもりはない)この瞬間こそがハイライトだと思う。
忘れちゃいけないのが一気に存在感を増したフェリス。お飾りのお供から馬鹿な男二人を動かすほどの強い意志を持った少女にジョブチェンジ。急に頼もしくなった。戦闘狂ばかりの中で戦闘力を持たないのに自発的に行動するようになったので、危なっかしさはそれ以上に増しているのだけど(苦笑)
2巻も爽快でパワフルな一冊だった。今では珍しいタイプなのでぜひ続いて欲しい。