いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「魔弾の王と凍漣の雪姫6」川口士(ダッシュエックス文庫)

『黒騎士』ロランと騎士団が守るナヴァール城砦は、恐るべき敵に包囲されていた。庶子ながら正式に王子として認められたバシュラルと、彼に従う諸侯の連合軍にである。バシュラルの背後には、北部の諸侯を権威と恐怖で統率するガヌロン公爵の影があった……。
ナヴァール城砦から火の手があがったという話を聞いたティグルたちは、冬を過ごしたザクスタン王国を発って、ブリューヌへと急ぐ。ところが、たどりついた城砦にロランと騎士団の姿はなかった。
バシュラルと出会い、また幼いころの悪友リュディエーヌと再会したティグルは、己の大切なものを守るために、ブリューヌの歴史を大きく変えるであろう出来事に自ら関わっていく。


周辺諸国を一周回って舞台は再びブリューヌへ、な第6巻。
今回は二人の強力な新キャラが登場する。
一人は武の強キャラ、バシュラル王子。
後から認められた庶子の王子で後ろ盾がガヌロンと、ガヌロンの道具としか思えない立ち位置なのにまさか本人が強いとは。
元傭兵で単独で戦って強く(戦姫を軽くあしらえる男性キャラは魔物以外では初めてでは?)狡猾さと戦術眼もありそうで、今後ティグルがどうやって攻略していくのかが楽しみ。しかし、こちらのシリーズは竜具レベルの武器の大安売りだな(^^; 
もう一人は正妻レースの強キャラ、リュディ。
今更登場の幼馴染キャラで思い出の内容もミラと被っている。これは当て馬だな、と思ったらとんでもない。自分の感情のまま動く単純な性格、ミラを排除しようとはしない純真さ、ブリューヌの有力貴族という立場を駆使して、ティグルの懐にスルッと入り込み、ティグルの意思が揺らぎミラが本気で慌てるほどの強烈な一手を放っていった。これはミラもうかうかしていられないだろう。本気の反撃に期待したい。
物語としてはブリューヌ内乱編前編といったところで、魔物たちも大人しく、新キャラ達の顔見せがメインの回だった。
次はこれまで助けてきた仲間が続々集まりそうで、戦局がどう動くのか楽しみ。