いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「豚のレバーは加熱しろ(2回目)」逆井卓馬(電撃文庫)

剣と魔法の国に再び豚として参上! しかし肝心のジェスがいない。なぜだ! ジェスたそをブヒブヒ舐め回したい一心でやってきたというのに……!
……失礼、違うんだ。俺が少し離れている間に、闇社会の連中が王朝に反旗を翻して、この国は今大変なことになっているらしい。俺がここに再臨したのは、そんななかイェスマ解放を目指し戦うイケメン狩人ノットに協力し、残酷な運命を課されたイェスマたちを救うため。
べ、別に、ジェスへのガチ恋が溢れて会いたくて会いたくて仕方がないだなんて、これっぽっちも思ってないからな!
「くそどーてーさんも、私と同じなんですね。いつか私もノットさんに……」
こらセレス、地の文を読むんじゃない。あとその呼び方、どうにかならないか?


自分以外の転生者の存在を知り、自分が帰ってきた後の状況を知り、再び豚として異世界に旅立つくそどーてーさんの物語。
オタク(豚)が二倍になりました。
よって変態度も二倍に、、、と言いたいところだったのだけど、金髪美少女の数が増えなかったのと、状況がひっ迫していてネタを入れられる余地が少なかったので、フェチ要素とオタクネタ要素は1巻より少なめ。それでも、隙あらば入れていたけど。眼鏡の必然性のなさといったらw
でもいいでしょう、今回の読みどころは豚の格好良さなので。
自分たちが出会った人たちのために、関わった異世界を少しでも良くするために、危ない世界に再び飛び込むオタクたちの情と度胸に感服。まあ、死んだら元の世界に戻るだろうという保険があってこそではあるのだが。
突然放り込まれた1巻と違い、初めから目的を持って行動する豚が、前より凛々しく賢く写る。特に人々の言葉から状況を推理する、冴えた豚さんパートが面白い。
ただ今回は、ジェスとの再会と世界情勢説明がメインの異世界再来編前編といったところなので、本当の試練と活躍は次回が本番だろう。
次回、変態犬ロッシが変態な理由が明らかに? 一緒に来たはずのケント氏がまだ健在なのか、すでにぼたん鍋になっているのかも気になるところ。もちろんこの世界の行く末とジェスとの今後も気になるしで、次回が楽しみ