いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「継母の連れ子が元カノだった 5 あなたはこの世にただ一人」紙城境介(角川スニーカー文庫)

親の再婚できょうだいになった水斗と結女は、元恋人同士。結女が気持ちを決めたあの夏祭り以降、余計にお互いが気になる日々で――。そんな夏休みも終盤、いつも通り水斗の部屋に入り浸っていたいさなは、水斗とのじゃれ合いを結女の母に見られてしまい、「東頭さんが、水斗の彼女になっちゃった」
いさな=水斗の元カノという勘違いが、『今カノ』へとランクアップし!? さらに、いさなの母には結婚しろとまで言われ、結女が攻めあぐねるなか着々と外堀は埋まっていく!
そして、いさなと水斗の噂は、新学期の高校にも伝わって……。
純真健気な片想いと、再び萌ゆる初恋の行方は――!?


5巻は夏休み終盤から新学期開始まで。
表紙の通りいさな回。凡人とはズレた感性を持つ彼女の胸の内が語られる。
いさなさんが何を考えているかよくわからない子から、真面目で誠実な子にジョブチェンジしたようです。
相変わらず感性は独特なところがあるので共感できないところは多々あるが、なんで全員と仲良くしなければならないの?とか、なんでみんなと同じ風にしなければならないの?とかはよくわかる。その間違っていると思ったことをそのままにできない誠実さも。
こんな捻くれた性格を生んでしまったのがその誠実さなのが悲しいが、だからこそ“親友”水斗との出会いは彼女にとって本当に幸運で救いだったんだと実感できた。
まあ、それはそれとして
結女さん、あなた何してるんですか?
4巻の決意と思い切りは何だったの?と言いたくなるくらい猛烈に日和りやがって。ヒロインが二人いるのだからチャンスと当番回は平等にしなきゃフェアじゃない。だから今回結女がメインではないのは分かるのだけど、本人が一人でヘタレるのは別問題。衝撃の4巻からの続きだったので、脱力感・がっかり感がもの凄い。もし目の前に居たら正座させて3時間説教コースだよ。
ラストで水斗に“その気”があることが分かったので、ヒーローが引っ張っていく展開に期待するしかないか。あのポンコツヒロイン相手じゃ苦労するだろうけど。