吸血鬼が一年で最も苦手な季節――クリスマス。街中に溢れる十字架だけでも気が滅入るのに、池袋でコンビニ夜勤に勤しむ吸血鬼の虎木にさらなる災難が。天敵である男性恐怖症のシスター・アイリスが、隣の部屋に引っ越してきたのだ。
聖務のパートナーに任命されてしまい、アイリスからどうにか逃れようとする虎木だが、職場のコンビニは年末の繁忙期に突入し、崩壊待ったなし。
そんな時、新人バイトとして現れたのは、梁詩澪(リァン・シーリン)と名乗る美人の留学生。虎木は詩澪とバイトに励むが、そこにアイリスと未晴が様子を見に押しかけてきて、事態は修羅場寸前に。さらに、コンビニ強盗までやってきて――!?
年の瀬迫るコンビニに中国人留学生の新人女性アルバイトが雇われる。彼女が増えるよ!やったねトラちゃん!な2巻。
ポンコツ金髪美人、ヤンデレ和美人に続く新ヒロインは色香中華美人。前の二人に足りない女性的魅力を十分に発揮しつつ後輩属性も持っているなかなかの強キャラ。前の二人と被らないキャラ付けの意味でも属性の組み合わせの意味でも、良いところを突いてきますね。
本作は、前作「はたらく魔王さま!」同様、ファンタジーなのに庶民的なギャップと世間の世知辛さを楽しむ作品だけど前作よりもヒロインたちの個性がはっきりしていてラブコメ度数が高いように思う。ヒロインたちがストレートにヤキモチを妬くので、分かりやすく可愛く、(傍から見ている分には)楽しいのがいい。
問題は主人公が鈍感を超えた“枯れてる”主人公なことか。まあ、中身が年齢的にお爺さんだからねえ。でもこの主人公“デレ”させたら、ギャップが美味しいし、ヒロインたちの魅力も一段上がるのではないかと思っている。
ストーリーとしては戦う相手が1巻と変わらなかったので、2巻にして早くも新鮮味がなかった。目標は決まったんだから、再戦の必要はなかったと思うのだけど。
でも、これでラスボスはいったん退場のようなので、次は新しい展開に期待したい。