いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?13」手島史詞(HJ文庫)

ネフテロス&ゴメリ救出作戦!!
キメリエスがゴメリを救うべく離脱した中、魔王シアカーンが過去の英雄たちの大軍勢を率い、ついにザガン達へと攻め込んできた。
一方で、ビフロンスの策謀により<アザゼル>化してしまったネフテロスも牙をむく。しかし、迫るあらゆる問題は、ネフィの誕生日を盛大に祝いたいザガンにとっては振り払うべき些事に過ぎない――!!
難敵すらも嫁のためなら圧倒する、最強不器用魔王による大人気ファンタジーブコメ、反撃の13巻!!


シアカーン編完結編。このシリーズでは珍しい全編シリアス。いや、お婆ちゃんはいつも通りか、半死なのに……。
このシアカーン編は過去にばかり目がいっていて今には大きな動きがなく、シアカーン本人は死にかけで表舞台に立たず、おまけにつるんでいる相手がザガンに勝てずに嫌がらせしか出来ない〈魔王〉ビフロンス。終わった魔王たちの鼬の最後っ屁で、ザガンが一蹴して終わりでしょ?と思っていのだが、蓋を開けてみたら史上最強にして最悪のゾンビアタック(本来の意味とはやや違う)だった。
そんなわけで、過去の英雄たち一万vsザガンの魔術師軍団&聖騎士たちがぶつかるド派手な戦争の様相の13巻。その過去の英雄たちの中には、父、想い人、仇敵など、ザガン陣営と因縁のある相手が何人も含まれていて、各所で想いと想いがぶつかり合う熱い戦いが繰り広げられる。
それでなくてもキャラクターが多いこのシリーズ。それぞれの場面をちゃんと想いを乗せて描いていたらそりゃあ本が厚くなりますわ。どれも熱さと優しさゆえの切なさを感じさせてくれる良いエピソードだった。但し、正直誰だっけ?と思う人物も(^^; 
その中で一番はvs屍竜オロバス戦。フォルの成長とラーファエルの怒り、他周りの人達の想いを乗せた戦いが最も熱く盛り上がった戦いだった。
次回からマルク編か? 彼も彼女のあの人も〈魔王〉になってしまって大変な状況だけど、そんなことより指輪どうしようで頭を抱えてそうな気がする。楽しみにしていた誕生日会がエピローグ数ページでさらっと流されてしまったので、甘々結婚準備編を期待したいところ。
ところで、お婆ちゃんはどうなったんだ?