いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「居酒屋ぼったくり おかわり! 3」秋川滝美(アルファポリス)

東京下町にひっそりとある、居酒屋「ぼったくり」。
名に似合わずお得なその店には、旨い酒と美味しい料理、そして今時珍しい義理人情がある――。
全国の銘酒情報、簡単なつまみの作り方も満載! 旨いものと人々のふれあいを描いた短編連作小説、待望の番外編第三弾!!


『居酒屋ぼったくり』のその後を描いた『おかわり!』も早いもので3冊目。
今回は、地元の町医者の後継者問題や猫バカたちの競演(狂演?)などありつつ、話はついに結婚した美音の妹・馨と哲の若夫婦が中心。結婚式前から結婚後までトラブルの連続、大人な要と美音とは違う若者らしい二人の姿をハラハラしながら見守るお話。
付き合いが長い割には何とも危なっかしい馨と哲の姿を見ていると、近くに叱ってくれる人、間違いを間違いだと言ってくれる第三者が居ないから、今の日本は離婚率が高いんだろうなあと。この二人もはっきり物をいう義兄・要がいなかったらどうなっていたか。まあ、そこのベタ甘な先輩夫妻を見習うのも、正直どうかと思うところはあるけれどw でも、頼りがいのある義理の兄と気軽に飲み食いに行ける間柄はかなり羨ましい。
さて、ぼったくりと言えば気軽に作れておいしそうな料理。
今回最もそそられたのは、栗と秋刀魚の秋尽くしな食卓。最近はどちらも大きいものはなかなかお目に掛かれないので羨ましい。このシーンは少々意外なメンバーな食卓なのと、間に挟まった場違いな水餃子のアクセントとそれに対する美音の表現が面白く、今回一番好きなシーン。
後は具沢山鍋焼きうどん。馨がダウンした時の美音の料理だけど、具沢山は元気な時に食べたいな。今の季節に食べたら身体が熱くて大変なことになりそうだけどw
最後に妊娠を匂わす一文があるので、まだ続くかも。さて姉と妹どちらかな。