いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「りゅうおうのおしごと!17」白鳥士郎(GA文庫)

「プロ棋士になります」
就位式でそう宣言したあいは、女流枠で出場した公式戦でプロを相手に連勝を続ける。しかし勝てば勝つほど周囲から人は離れていき……。
一方、世界最強のスーパーコンピューターが計算した百年後の将棋を目にし、八一は絶望する。
それでも未来の将棋に立ち向かう八一に明かされる、もう一つの秘密。
それは――
「……久しぶり。銀子ちゃん」
激闘に次ぐ激闘! 悲しき運命に直面した時、人はそれを受け容れるのか、それとも乗り越えるのか!?
未来に挑む棋士の姿を描く17巻!!
「運命よ、そこをどけ――この飛車が通る!!」


姉弟子でたー!
表紙ですでに可愛さと美しさがマックスで尊いのに、登場シーンでさらに尊みをプラスしくる銀子ちゃん。ありがとうございます! その後のブランクを感じさせない軽快な夫婦漫才とイチャイチャ具合に、頓死ならぬ尊死してしまいそう。挿絵を含めて10ページしかないけど、これだけで満足です。お母様、急に出てきたと思ったら水を差すようなこと言わなくていいから。子供だけが幸せの形じゃないから。特にこの将棋馬鹿たちには。
さて、ここだけ語れれば感想としても満足なのだけど(こら)、本題の方は
八一はスパコンが見せる未来の将棋に絶望し、あいは就位式での爆弾発言でプロ棋士たちを敵に回し、師弟揃ってもがき苦しむ17巻。
まずはこの巻の大きなウエイトを占めているAIの話。
話が急にSFチックになってきて少々面食らうところもあるが、そもそも将棋の戦法をほぼほぼ理解していないのでさほど問題はなかった。高度に発達したAI同士で対戦させたら〇〇〇ばかりになるのは素人でも想像できる。ただ、八一本人が銀子に会っていた時以外は本当に苦しんでいただけなので、こちらの本題は次回以降だろう。(しかし、急に話がぶっ飛んだのは、現実の藤井五冠が軽々と創作の上を行ってしまう所為で、作者が暴走した可能性が微レ存?)
そんな八一に代わって熱い勝負をしていたのがあい。
配慮のない発言で、今までお世話になっていた人たちの多くを敵に回し、身内にまでも一歩引かれてしまった大きくマイナスのスタートから、勝つ姿で少しずつ味方を増やしていき、大人たちを動かしていく孤軍奮闘ぶり。そして迎えた大一番。銀子の想いも背負い、大ベテランに相手に吠える姿は文句なしで熱い。師匠と妹弟子が脱線している間に、『りゅうおうのおしごと!』はこうでないとという姿を一人で見せてくれていた。
次回、天衣vs祭神雷からスタート。スパコンAIの仕掛け人天衣は何を見せてくれるのか。楽しみ。

それにしても創多がそっち系だったとは、、、鏡洲さんがただただ気の毒だ。