いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「おいしいベランダ。 亜潟家のポートレート」竹岡葉月(富士見L文庫)

まもりの妊娠が分かって、幸せいっぱいの葉二。同時に新居や出産など、やることは盛りだくさん。
ところが葉二は育休を取れないと判明――! 二人は里帰り出産と準備を分担して乗り切ることを決める。
決意のもと、まもりは妊娠中も飲めるお茶や、葉二が収穫したての素材で作る天ぷらに元気を得て、着々と準備を進めていく。
しかし新居のリフォーム案で波乱!? これじゃあ庭や書斎に声が届かなくて、葉二さんが熱中したら出てこなくなっちゃいます……! 大幅なプラン変更で、準備は逼迫!?


後日談第二弾。妊娠期間にマイホーム購入からリノベーション、引っ越しに出産と詰め込み過ぎじゃね?と思うくらい大忙しなまもりと葉二の様子が描かれる。
後日談第一弾は帰省でお互いの家族に会ったり、弟や友人たちの恋模様があったりと周りの人達が多く出ていたのに対して、第二弾はマイホーム購入に出産にと、大部分が夫婦になった二人にフォーカスした話になっている。

いやもうね、表紙がすでにズルいよね。母親になったまもりが子供をあやしている姿が幸せオーラ出まくり&こんなに立派になってという親目線な感情で涙が出て来る。隣の葉二がリラックスした格好で笑顔なのもいい。しかし、この人は変わってないというか、むしろ若返っている気すらするなw
さて、本編の方は、
妊婦という肉体的も精神的にも不安定な時期なはずなのに、全然いつもと変わらないまもりが頼もしく、彼女らしくて嬉しい。行動も食べ物も制限されていても、範囲内で最大限できることと楽しみを見つけていくのが流石まもりさん。おかげで忙しさでドタバタしていても、ハラハラすることなく二人の幸せな結婚生活を覗いていられて、気兼ねなく幸せ気分に浸ることができた。性格はそそっかしいから、周りの人達は転んだりぶつけたりな物理的な意味で気が気じゃなんだろうけど。
面白かったのはリフォーム業者の営業からみた亜潟夫婦の話。
二人中身を知らない人からは、やり手っぽいイケメン男性と若くて綺麗なお飾り奥様に見えるのか。近しい人や読者には「完璧イケメン?お飾り若奥様?似合わねーwww」になるのに。
後日談第一弾同様に、終始ニコニコしながら読んでいたらあっという間に終わってしまった。この幸せ空間にもっと浸っていたいのに!