いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「変人のサラダボウル7」平坂読(ガガガ文庫)

変人のサラダボウル (7) (ガガガ文庫 ガひ 4-21)

異世界へと逃れたオフィム帝国最後の皇族であるサラを抹殺するため、一人の暗殺者が岐阜の地へと送り込まれる。しかしその刺客――三人目の異世界人アルバは、自分が捨て石だと見抜いており任務を遂行する気がなかった。彼女は暗殺者として培った技術を生かし、岐阜の地で自由に生きようと目論む。一方、鏑矢探偵事務所では高校生となった永縄友奈が見習いとして働き始める。惣助が舌を巻くほどの才能を現した友奈は、ひょんなことから女子高生探偵として名を上げることになり――。ますます予測不能の群像喜劇、第七弾登場!


異世界からの刺客、サラたちの命を狙う暗殺者が岐阜に降り立つ第7巻。
その新キャラクターの名はアルバ。岐阜の地に降り立った彼女は早速……とんずらして悠々ネカフェ生活を満喫。ですよねー。忠義も何もない捨て駒を送り込んだら、そりゃこうなるよ。軍資金を持たせてくれるだけアリ〇ハンの王様よりは温情があるが、無能なのは間違いないw
それにしても、サラもそうだったけど現代社会に馴染むのが早すぎる(苦笑) 世界は変われど日本人、日本文化とオタクカルチャーへの親和性が高いのだろう、たぶん。そんなわけで、新キャラなのに強烈な個性たちの中にあっさり埋没したアルバさんなのでした。そんな彼女を見ていると、こちらでも強烈な個性を放つリヴィアの異常性が際立つ。アルバの口ぶりや今回明かされた向こうでの異名からして、あちらの世界でもぶっ飛んだ存在だったようで、さもありなんといったところ。というかこいつ、姫を食う気満々だったのか(ドン引き)。ブレンダさんが無事で本当に良かった。
そんなことより今回は友奈ちゃんですよ。
高校生になって念願の探偵事務所のバイトが始まり、料理スキルでヒロインレースのトップに躍り出て、居合わせた事件の解決に貢献したことで高校生探偵と持て囃されと、一躍主人公の一人に駆け上がった。初登場時はイジメの被害者で、その後はサラの友達兼常識人代表な立ち位置だったのに、こんなことになるとは。しまいには怪盗のライバルまで登場する始末。って、アルバの役割こっちかよ!w
要約すると、ついに友菜が変人に染まり切ってしまった回だった。まあ、元々ちょくちょく怪しかったが。こうなるとヒロインレースも危ういな。この岐阜の地で正気を保つのはそれだけ難しいということか← きっとあの真面目な女性警察官の人も染まっていくんだろうなあ。嗚呼、常識人が居なくなっていく。