ライトメリッツを襲ったアスヴァール軍を撃退し、エリオット王子を見事に捕らえたティグルたち。ジスタート王国はエリオットを利用して、アスヴァールの内乱に介入することを試みる。遠征軍の指揮官に任命されたのはミラとソフィーの二人だったが、その人選にはいくつもの思惑があった。
同じころ、アスヴァールの王女ギネヴィアは、自らの野心をかなえるためにブリューヌ王国を訪れていた。ブリューヌは黒騎士の異名を持つロランに、あることを命じる。
野心家たちが入り乱れ、混迷渦巻くアスヴァール島で、ティグルとミラの前に新たな強敵が立ちはだかる。戦いの先で二人は何をつかむのか――。
捕えた第二王子を使ってアスヴァール介入を目論むジスタート王の命で、船で一路アスヴァールへ! なシリーズ第3巻。アスヴァール編前編といったところ。
前編とあってか現地に着くまでの前半は平穏そのもの。おかげでティグルとミラのイチャイチャタイム増量で、バカップル具合に中てられる。ちょっとちゅっちゅしすぎじゃないですかね、この子たち(←おいおっさん しかし何故、ワンピース姿のミラの挿絵がないのか。ティグルの食事シーンなんて要らんだろう。
さて、本題のアスヴァール編は、
2巻は囚われのエレンと魔物との死闘の印象が強くて、アスヴァール軍の侵攻なんてあったっけ? エリオットって誰?って状態だったが、特に問題はなかったかな。今回も最期まで印象のないまま退場していったし。妹を表舞台に立たせる舞台装置だったような……不憫な。
逆にその妹、アスヴァールの王女ギネヴィアは麗しいキャラデザにお転婆な性格、竜具以外の伝説の武器を持つ目立つ姫君で、ブリューヌとジスタート以外の国は記号的に、もし戦う時は野蛮に描かれることがほとんどだった前シリーズから考えると、敵国の王女が戦姫級の扱いなのは珍しい。今シリーズは本気で舞台を世界規模にするんだと実感した。
そして、女性ということはもちろんハーレム入りなんだろうなあ。ミラとは主に紅茶の好みでそりが合わなそうだが、どういう立ち位置になるのかが見物。
魔物を一体討伐したところで後編へ。各陣営に魔物の影がある中、アスヴァールの内戦がどう転ぶのか次回が楽しみ。