いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「魔法少女育成計画 episodesΔ」遠藤浅蜊(このライトノベルがすごい!文庫)

魔法少女育成計画』の新たなエピソード集が登場! アニメ化された第一作から、最新作の『魔法少女育成計画QUEENS』、さらにはWEBで連載中の『魔法少女育成計画breakdown』まで、シリーズを彩る何十人もの魔法少女が所狭しと暴れ回っています! ショップ限定特典として発表され、プレミア価格がついたショートストーリーも書籍初収録!コアなシリーズファンはもちろん、アニメを観ただけの人でもたっぷり楽しめる一冊です!


2年半ぶり、お久しぶりな『魔法少女育成計画』の短編集。このラノ文庫ってまだ存命だったのね。
いつも血みどろな本編と打って変わって、平和でコメディ色も強くなるのに、笑顔より涙の色が強くなるのがこのシリーズの短編集。なにせ、犠牲になった魔法少女のエピソードが並ぶので。
魔法特性や戦闘能力よりも性格に難がないと生き残れない、いい奴いい子から死んでいく本編の仕様の所為で、短編集らしい「日常の一コマ」や「あのキャラの意外な一面」を見せてくれるようなキャラクターは、大抵死んでいるか壊れているというこの仕様、ホント酷いわ(苦笑)
日常の一コマな話では、実は身内にバレバレだったトップスピードが可愛い『魔女と弁当と愛情表現』、メイが正月に悩む姿に和む『正月と亀』がお気に入り。
「意外な一面」では、魔王パムが意外と真面目なリーダーで予想外におしゃべりだったことが分かり、いつもの騙し合いの要素のない純粋なバトル小説としても面白かった『魔王塾主催地獄サバイバル』が良かった。
あとは、まだ擦れ切っていないスノーホワイトが読める『魔法少女暗殺計画』が、久々に優しいあの子に会えて嬉しいような、後を思うと切ないような。
なんと秋には本編の続刊が出るようで、今から楽しみ。