いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「君死にたもう流星群4」松山剛(MF文庫J)

自らのタイムリープを天野河星乃に告白した平野大地。だが、その衝撃の事実は二人の関係をかえってギクシャクさせてしまう。ちょうどそのころ「大流星群の犯人が、この高校にいるって聞いてね」というイオの言葉に呼応するように、驚愕の人物が大地たちの前に姿を現す。その名は『エウロパ』。かつて星乃の母親を襲撃した因縁の相手だった。そんな中、これまで不穏な動きを見せていた黒井冥子が大地に接触。イオすらも退ける黒井の衝撃の正体とは? 遠い宇宙から届く『暗号文』、謎のオンラインゲーム『GHQ』、そして大流星群の『真犯人』がついに姿を現す――『夢』と『宇宙』がテーマの感動巨編、驚天動地の第四弾!


人生に失敗し最愛の人も亡くした青年がタイムスリップしてやり直す、SFサスペンス第四弾。
今回の夢の話は小説家の話とあって、作者の実体験からくるであろう実感のこもった名言がいくつも飛び出していたのが印象的。ただ、あれで刺さるような盗作犯なら、そもそも盗作なんてしないような気もするけど。
そんなことより今回は、事件の方で予想外&想定外の連続だったので、そちらの方が気になる。
前回の葉月の行動から出てくることは予想していても、タイムトラベラーがこんなにポンポン出てくるのは流石に想定外。それに、これまで主人公・大地以外で繋がりがなかった『夢の手助け』と『未来の事件の真相』が、がっちり噛み合って話が進むのも予想外。未来との繋がりが強くなってきたことで、話が深部まで進んできた気がする。
但し、謎が謎を呼ぶ展開なので、むしろ疑問は増えているけれど。
・葉月と今回のトラベラーでは元の時代に10年以上の開きがあるがスペースライターの技術に差がある?
・怪しげな人物は大体トラベラーな気がするが、どの時代の人間?
・盗作犯はどうやってテキストデータを持ち込んだ?
・それとサテライト社が懸賞をかけてまで知りたい暗号との関係は?  
予想外と言えば、大地がダメになりかけた時、自力で復活したのも予想外。これまで助けてきた友人たちに励まされる少年誌的展開を予想したのだが。まだまだ先は長そうなので、それはクライマックスに近くになってからかな。それにしても大地は、こんなにみんなのヒーローをやっておきながら、本当に星乃しか見えてないんだね。
序盤のイオとラストの六星の合わせ技で、黒幕らしき人物が明るみになったところで次回へ。素性が怪しければ目的も分からないので、どこまで信じていいものか。話の流れからまだカリストと名乗る怪しい人物が出てきそうな気配だし。それでも次回からが本番とあるので、人物は大体出揃ったのかな?