いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



今年のお気に入り

今年の読んだ本は




124冊(漫画雑誌等除く)でした。





がっつり減った去年からさらに30冊近くの減少。一昨年からだと約70冊減。
ラノベ業界が出版数の増加に反比例するかのように急速に多様性が失われてしまっているので、どんどん食指が動かなくなっている。来年は100冊も危ういかもしれない。
そんな中でも「まだまだラノベも捨てたもんじゃない」と思わせてくれた今年の推し作品をいくつかご紹介。



「オタク同僚と偽装結婚した結果、毎日がメッチャ楽しいんだけど!」コイル(電撃の新文芸)

 


主人公・咲月のポジティブシンキングでタイトルの「毎日がメッチャ楽しいんだけど!」を全力で体現していく、読んでいるだけで幸せな気分をお裾分けしてもらえるご機嫌な作品。濃いめのオタク知識が必要なので読む人は選ぶけれど、是非とも多くの人に読んでもらいたい幸せいっぱいなラブコメ




「Unnamed Memory -after the end-」古宮九時(電撃の新文芸)

 


運命に抗う王と魔女のファンタジー、延長戦。
課せられた使命、待ち受ける運命は相変わらず過酷。でも、それを乗り越えていくからこそ最強夫婦が光り輝く。お互いへの信頼、深い愛情、二人でいる時のイチャイチャ。どれもが楽しみ。




「義妹生活」三河ごーすと(MF文庫J

  


親の離婚を経験している者同士、その傷を自覚しながらゆっくりじっくりお互いを理解してようやく恋人同士になった5巻。その幸せを噛みしめた6巻と7巻。
静かでじんわりと染み入るような恋愛模様は、今年一番美味しいところだったのかも。




「変人のサラダボウル」平坂読ガガガ文庫

  


日本の小中学校生活に浮かれる金髪少女と、裏社会にずぶずぶとハマっていく銀髪女性と、岐阜ご当地自慢と、その他諸々が一冊に収まったカオスな群像劇。「なんでもあり」のライトノベルをこれ以上なく実現しながら破綻なく面白いのは最早奇跡。




「小説が書けないアイツに書かせる方法」アサウラ電撃文庫


ド変態たちが蔓延るド下ネタエロコメディ。フランス書院か?と思わせる濃密なエロ描写がありつつ、創作ものの青春小説として文句のないクオリティを誇る、股間は硬くなり胸は熱くなる怪作にして傑作。
人気アニメ『リコリス・リコイル』の短編と同時発売して隣に置かせるレーベルの性格の悪さも必見w




「レンジャー・ガール! 女性自衛官・小牧陽は地獄を這い進む」綾坂キョウ(富士見L文庫


極限状態で生まれる素の感情剥き出しの人間ドラマ。
訓練なのに『死』が間近に見える壮絶なレンジャー養成訓練。その中で生まれる友情や愛情なんて生易しいと思わせる、命を預けられる信頼までに育まれていく過程が涙無くしては読めない。





以上!

来年はテンプレなぞる作品、テンプレを弄る作品ではなく、もっと個性溢れる作品に数多く出会いたいものです。
それでは皆様、良いお年を。