いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか15」大森藤ノ(GA文庫)

深層の決死行を乗り越え、地上の帰還を果たしたベル達。それぞれが果たした冒険の成果は『成長』の証。確かな前進に喜ぶ傍ら、ふと彼等彼女等はこれまで歩んできた道のりを振り返る。
少年は始まりの日に還り。
女神は追憶を映す炉の光に目を細め。
小さき少女は灰の過去を乗り越え。
鍛冶師は遠き日を重ねた空を仰ぎ。
受付嬢は昔日の傷を。
妖精は正義の誓いを。
黒烏は金狐との今昔の物語を想う。
今と過去が織りなす日常編。『英雄』が生まれる地に束の間の安らぎを。
これは少年が歩み、女神が記す、──【眷族の物語】──


あの壮絶な遠征から帰ってきたヘスティアファミリア(と関係者)の、束の間の日常と各々の始まりの物語を描く、小休止な15巻。遠征で大きく成長したメンバーたちが平和な一時に、若かった幼かった自分に想いを馳せるという形で物語が進んでいく。

リューさんがかわええんじゃ――――――――――――!!!!!
乙女でした。他に言いようがないくらい乙女でした。周りの生暖かい目を含めて。前巻からすっかりメインヒロインですねえ。
次点でヘファイストス様。章の扉絵を含めて恋愛初心者感が出てて良かった。でも、この初心者と朴念仁で先に進むことはあるんだろうか。
ちなみに、どこぞの紐神様は駄女神っぷりあちこちで暴露されていたので、株価ストップ安。お前に春姫の邪魔をする権利はねーわ。
それぞれの過去の話の方は、
誰のもどこかで語られたり匂わされたりしていたことなので、目新しさはなかったが、増えてきたメンバーの人物像をおさらいするのにいい機会だった。ただ、それにしても既に知っていることとはいえ、暗く重い過去を持つメンバーが揃ってるなと。親不明なベルが最も幸せにみえるくらい。暗い過去のない擦れてない純粋な心が、他のメンバーを救っている面がある。というか、そんなベルだからこそ集まってきたファミリアなんだろうな。
物語は第四部後半(まだ中盤?)へ。アイズの何かを匂わせつつ、次はシルの話らしい。

「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」佐伯さん(GA文庫)

藤宮周の住むマンションの隣には、学校で一番の美少女・椎名真昼が住んでいる。特に関わり合いのなかった二人だが、雨の中ずぶ濡れになった彼女に傘を貸したことから、不思議な交流が始まった。
自堕落な一人暮らしを送る周を見かねて、食事をつくり、部屋を掃除し、なにかと世話を焼く真昼。
家族の繋がりに飢え、次第に心を開いて甘えるようになる真昼と、彼女からの好意に自信を持ちきれない周。素直でないながらも二人は少しずつ距離を縮めていく……
小説家になろう」で絶大な支持を集める、素っ気なくも可愛い隣人との甘く焦れったい恋の物語。


怠惰な少年と高嶺の花の少女によるお隣さんラブストーリー。
周くん(主人公)、君は初めからダメ人間だ。“されて”はいないw
そのずぼら男子高校生の周のお隣さんがクラスメイトの真昼。
可憐な容姿。圧倒的家事能力、というか嫁力。完璧超人という評判と、たまにドジする実際とのギャップ。学校では愛想がいいのに、主人公にだけ素っ気ないという特別感。時折見せる憂いの表情と見え隠れする不幸属性が庇護欲を駆り立てる。まさにパーフェクトヒロイン。
むしろ計算され過ぎていて逆に人間味を感じないなと思っていたのだけれど、プレゼントのエピソードでやられた。欲しいものに砥石を選ぶチョイス、普通の女子高生をすでに諦めている姿勢、ここで真昼像が一変した。これは認めざるを得ない、真昼さんはいいヒロイン。
さて、そんな二人が織りなすラブストーリーは、
帯には「焦れ焦れ甘々ラブストーリー」とあるけれど、これは家族に飢えていた寂しがり屋の少女と、そんな彼女を放っておけなかった優しい少年の疑似家族物語のような。確かに真昼がかわいいシーンは多いのだけど、ラブを感じるところは特になかった。でもその分、お互いに素っ気ないのに、二人に間に流れる居心地の良さは読んでいてとても心地がいい。うん、やっぱりしっかり者のお姉ちゃんとダメな弟の、仲のいい姉弟だ。
あとがきによると、ここから先でちゃんとラブストーリーになるらしい。照れる真昼は想像できてもデレる真昼は想像できないので、二人の心境がどう変わっていくのかが楽しみ。

「天才王子の赤字国家再生術4 ~そうだ、売国しよう~」鳥羽徹(GA文庫)

「心配だああああああああああ! 」
新たな皇帝を決めるため、三人の皇子による会談が持たれることになったアースワルド帝国。ロウェルミナ皇女からその舞台となるミールタース市に招待されたウェインは、これを華麗にスルー。するはずが、なぜか代わりに妹姫のフラーニャ王女が出席することに! 一体、どうしてこうなった!?
懐刀のニニムを付けて送り出すも、不安のつきないウェインは結局自らも帝国に向かうのだが――新たな外交の舞台で待ち受ける旧友たちとの再会。燻る戦争の火種。そしてもう一人の怪物が歴史の舞台に姿を現す、弱小国家運営譚第四章、開幕!


山脈で東西に分かれた大陸の中央に位置する、商人の街ミールタース。そんな大陸の要所で帝国大事な会議と併せて行われる式典に参加するのはウェイン……ではなく、妹姫・フラーニャ。
というわけで今回は、フラーニャ大活躍回。
国内の平和の象徴、可愛いが取り柄のマスコットキャラクター的扱いの妹ちゃんが表舞台に出てきたのにはビックリ。でもまあ、ウェインが「ヒーローは遅れてやってくる」をやるための繋ぎだろうと思っていたら、、、まさかあんなことになるなんて。
その度胸とはったりとオフの時の脱力加減、この兄にしてこの妹あり、か。ウェインの「兄妹だなぁ……」のつぶやきに同意。まあ本人は違うニュアンスで使ってるのだが。戦と腹芸は出来ないから戦乱の世には向かないけれど、平時なら兄より純粋で真面目な分、良い君主になりそう。
さて、本当に遅れてやってきた兄の方は、
短い活躍の場ながら、その機転と不運は相変わらず。それに、ロワがいると何割か増しで生き生きする気がするのは、気のせいじゃないはず。狐と狸の相乗効果だろうか。お前ら台詞の(括弧)内で会話するなよw 
ただ、ウェインの登場シーンが少ないと、必然的にニニムの活躍も少なくなるのだけが不満。でも過去最高のデレシーンがあったから許す! 彼女が補佐官でなくヒロインになる瞬間がたまらなく好き。
今回も最高に面白かった。毎度予想を裏切ってくれるので、先が読めなくて本当に楽しい。
次回は西との戦争? あのヤベェBBAの隣人もやはり狂人であったか。

「魔法少女育成計画 episodesΔ」遠藤浅蜊(このライトノベルがすごい!文庫)

魔法少女育成計画』の新たなエピソード集が登場! アニメ化された第一作から、最新作の『魔法少女育成計画QUEENS』、さらにはWEBで連載中の『魔法少女育成計画breakdown』まで、シリーズを彩る何十人もの魔法少女が所狭しと暴れ回っています! ショップ限定特典として発表され、プレミア価格がついたショートストーリーも書籍初収録!コアなシリーズファンはもちろん、アニメを観ただけの人でもたっぷり楽しめる一冊です!


2年半ぶり、お久しぶりな『魔法少女育成計画』の短編集。このラノ文庫ってまだ存命だったのね。
いつも血みどろな本編と打って変わって、平和でコメディ色も強くなるのに、笑顔より涙の色が強くなるのがこのシリーズの短編集。なにせ、犠牲になった魔法少女のエピソードが並ぶので。
魔法特性や戦闘能力よりも性格に難がないと生き残れない、いい奴いい子から死んでいく本編の仕様の所為で、短編集らしい「日常の一コマ」や「あのキャラの意外な一面」を見せてくれるようなキャラクターは、大抵死んでいるか壊れているというこの仕様、ホント酷いわ(苦笑)
日常の一コマな話では、実は身内にバレバレだったトップスピードが可愛い『魔女と弁当と愛情表現』、メイが正月に悩む姿に和む『正月と亀』がお気に入り。
「意外な一面」では、魔王パムが意外と真面目なリーダーで予想外におしゃべりだったことが分かり、いつもの騙し合いの要素のない純粋なバトル小説としても面白かった『魔王塾主催地獄サバイバル』が良かった。
あとは、まだ擦れ切っていないスノーホワイトが読める『魔法少女暗殺計画』が、久々に優しいあの子に会えて嬉しいような、後を思うと切ないような。
なんと秋には本編の続刊が出るようで、今から楽しみ。

6/16の雑談

主夫業

月一姪たちが遊びに来る日でした。
夜のビーフシチューを早々に作って保温鍋放置だったので、今日はだいぶ楽。
来月から花火シーズンか。やったねオジサン仕事が増えるよ!


暴風

誇張ではなく台風レベル。外では普通に立っていられない。
風で持ってかれた軽のドアが軽く凹み、父が軽く腰をやり、室内の花瓶が倒れ、風の音に姪たちが怯えと散々。
家庭菜園でも、まだ防虫ネット内のピーマンとインゲンは無事だったものの、トマトとキュウリはあちこち折られた。一番被害が大きかったキュウリ一本はもうダメかもしれん(´・ω・`)