いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?9」手島史詞(HJ文庫)

<魔王>シアカーンの情報を得るため、そして黒花の治療で自分に不安を抱くネフィを元気づけるため、ネフィとオリアスを引き合わせる決心をするザガン。しかし当のオリアスは「アザゼルの杖を回収する」というメッセージを残して姿を消していた。二人はオリアスを追うため聖都へ向かうことになったが、そこは教会の総本部。無用な衝突を避けるため、二人は新婚夫婦に成りすますことになるが――。
大人気ラブコメファンタジー絶好調の第9巻!


ここまでお膳立てされて添い寝止まりかー。まあこの二人だもんな。
9巻まで来て「あなた」の一言で強烈な破棄力を出せる初々しさ。これこそがザガンとネフィの魅力だもの。
内容としては当然ながら前回の続きで、前回同様視点があちこちにいく群像劇。
結託した負け犬魔王二名の動き、黒花の目の治療、保護した吸血鬼、お留守番フォル、ネフィを母親に合わせるイベント……これだけキャラクターが増えてやる事も増えたら、ページ数は増えていく一方なのは仕方がない。伏線もいっぱい張っているし。視点はもう少し絞った方がいいような気はするが。
その中でハイライトはザガンとネフィ(+ラーファエル)の新婚旅行(仮)。行く先が教会の本拠地・聖地ラジエルで、正体を明かせないので一般新婚夫婦の体だっただけどだけど、この二人なら本当の新婚旅行でもこんな感じだろうな。清潔感のある甘さと、微妙で絶妙な距離感と、ドタバタに巻き込まれて二人っきりは少ないもどかしさ。
ストーリー的なハイライトは、12名の聖騎士長全員集合!だった筈なんだけど、、、こいつら弱っ! 戦闘の弱さもさることながら、実質トップが魔王で装備作ってるのも魔王。もう魔術師の掌の上ってレベルじゃねーぞ(^^; おかげで便利屋バルバロス含め、魔術師の強さだけが際立っていた。取るもの取ったし、今後教会は影が薄くなりそう。
捜し人未解決で瀕死魔王2名との決着もまだだけど、エピローグからすると、次はザガンの親の話になる?

「夢に現れる君は、理想と幻想とぼくの過去」園生凪(講談社ラノベ文庫)

23歳、職歴半年のニート、僕の立場を一言であらわすとこうなる。
友人であるカッツンの家に居候させてもらいだらけた日々を送っていた僕は、夢をコントロールする方法を記載したブログを見つける。夢の中で死なない、夢に一週間以上とどまらないこと、と注意されつつ、僕は思い通りの夢を見る。その夢の中には、10年前に転校した元クラスメイトの霧崎紗耶香が現れる。彼女は僕の初恋の人で、そして、交通事故で死んでしまった人だった。
彼女との交流で、止まっていた僕の時間が動き出した――。


夢をコントロールする方法を得たニート生活の主人公が、現実では友人知人宅やネットカフェなどを転々としながら、夢の中で初恋の女の子との逢瀬を重ねていく物語。

これはいい。大好きなタイプの作品。
主に雰囲気が好き。
厳しい現実を突きつけられながらも飄々と生きる主人公がまとうゆるさと少々の倦怠感。根はいい人ばかりの登場人物たちが織りなす優しい世界。“初恋の女の子”の甘酸っぱさと話の半分は夢の中という儚さ。色々なものが混ざりあって、主人公は現実でも夢でももがいているというのに、ずっと浸っていたくなるような温かさを感じる不思議な空気感だった。
またストーリーとしては、愛とは何かと問いながら、現実では全くやる気が出ず無気力な主人公が、再び前を向いて立ち上がるまでを描く。いい話ではあるが、はっきり言ってありきたりだ。なのに、何故か言葉に説得力がある。ごく普通の励ましの言葉が、驚きのないラストが、素直に受け止められたり、胸にスルッと入ってくる。人に対する誠実さと、一生懸命過ぎない程よい脱力が良いのだろうか。
どこがと言葉にするのは難しいが、とても良かった。心地いい読書時間だった。

「さよならの言い方なんて知らない。」河野裕(新潮文庫nex)

あなたは架見崎の住民になる権利を得ました―。高校二年生の香屋歩の元に届いた奇妙な手紙。そこには初めて聞く街の名前が書かれていた。内容を訝しむ香屋だが、封筒には二年前に親友が最後に残したものと同じマークが。トーマが生きている?手がかりを求め、指定されたマンションを訪れると…。戦争。領土。能力者。死と涙と隣り合わせの青春を描く「架見崎」シリーズ、開幕。


これ「ウォーター&ビスケットのテーマ」だったのか。
作者買いであらすじを見ていなかったので、読み始めでビックリした。
帯に2巻来月、3巻冬ってあるし、スニーカーは打ち切り確定か。椎名さんの絵が良かったのに。それにしても、ゲーム性が高くてラノベらしい内容の本作が新潮文庫nexに移籍するのは意外だ。
一通り読み終わってもどこが改稿されているのか分からなかったので、スニーカーの方を引っ張り出して読む比べてみたら、説明部分が簡素化されていた。特に作中アニメ『ウォーター&ビスケットの冒険』の説明はかなり短くなっている。
あと改めて読んで感じたのは、香屋の性格の悪さと、目的も何を考えているのかも分からない秋穂の気味の悪さ(酷い言い様w
1巻を読む限りストーリーにはメスが入っていないようなので、2巻よりも冬に出るという3巻が楽しみ。


表紙の子はどっちだろう。どちらも制服着ているイメージはないのだが。



bluets8.hatenadiary.jp

「君と漕ぐ2 ―ながとろ高校カヌー部―」武田綾乃(新潮文庫nex)

インハイ出場を決めた希衣と恵梨香の新ペア。カヌー部女子四人は休む間もなく練習を重ね、結束を深める。次の関東大会では、絶対的な強さの“孤高の女王”こと利根蘭子をはじめ、千葉からは繊細なパドル捌きで魅せる双子の大森姉妹、山梨からはパワーが武器の神田と堀ペアなど個性的なライバルらが集結。ながとろ高校の勝利の行方は!? 揺れる想いと熱い闘志がきらめく青春部活小説。


女子4人だけのながとろ高校カヌー部の活躍を描く青春小説、第2弾。
新たな展開が始まると言うよりは、登場人物の紹介の続きだったり、主要人物の立ち位置を明確にしたり、1巻2巻で前後編という印象。中でも長瀞カヌー部員4人の悩み、主に先輩二人の抱えるものをはっきりさせた巻だった。
相変わらず女子高生のセンシティブで言葉にしにくい感情を表現するのが本当に上手い。
親友にして憧れの存在、千帆の復活を諦めきれないばかりに、親友にどう接していいか分からなくなっているのと同時に、目の前にいる現在の天才は羨望と僅かな妬みの対象なのに、不安定で放っておけない後輩でもある恵梨香への複雑な想い。過去の天才と現在の天才の間で揺れ動く希衣の心情。
もう伸びしろがないのに、周りの目とそれに応えられない自分の不甲斐なさに苦しむという形で「過去の栄光」に縛られている上に、大人たちのいざこざで家庭内の空気も悪く、常に何処でも息苦しさを感じている千帆。
苦しくて抜け出したいのに、自分だけではどうにもならないままならさが十二分に伝わってきて胸が苦しい。他校の生徒の良好な人間関係を見せつけられて、さらに傷つく二人の痛々しさと言ったら。やっと一つ上手くいったと思ったら、横槍が入りそうなエピローグだし……。
競技としては、対人関係で一つ吹っ切れて、負ける悔しさを覚えた恵理那の成長が気になるところだけど、その前にまずは舞奈かな。今回さらに影薄かったし。彼女がペアを組んだりフォアが出来るようになったりした時の、人間関係の変化が気になる。
というわけで舞奈さん、早く乗れるようになるんだ。 

9/1の雑談

午前は農夫

キュウリとトマトの畝をお片付け。
キュウリの蔓用ネットと、トマト泥棒除けのネットを片付けてスッキリ。


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右にちらっと見える緑はピーマン。今が全盛期。その奥のインゲンは終わりかけ。


今後はどこかの畝にブロッコリーを植える予定。あと二つはどうしようか考え中。



ベランダ菜園

小松菜が防虫ネットを外した途端に色々な虫に食われまくったので、今度はベランダで育ててみることに。『おいしいベランダ。』の影響は大いにあり


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第一段階は土に石灰を混ぜて2週間ほど放置。



野球U18W杯

日本 16-7 アメリ


雨と守備が酷くて両チームのピッチャーが可哀想な試合。
貧打と思っていた打線でアメリカ相手に16点! と喜びたいところなんだけど、相手が10四死球だからなあ(^^;
アメリカは自軍のチームの投手の能力を過信しているのか信じていないのか、どっちなんだよ。中途半端な守備位置に助けられた面が多々ある。
日本はとにかく内野守備が酷い。いくら雨でもあまりにも酷い。本職を揃えないからこうなる。