いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ミミクリー・ガールズ」ひたき(電撃文庫)

2041年。人工素体技術《ミミック》が開発され幾数年。
作戦中の事故で重傷を負ったクリス大尉は、素体化手術を受け前線復帰……と思いきや術後どうも体の調子がおかしい。
鏡に映った自分を見るとそれはさらさらヘアーの良く似合う――美少女で!!?!?
謀略と怨嗟が蠢く戦火の陰で突如結成された4体の少女素体からなる即席部隊。その名は――『ミミクリー・ガールズ』。
射撃、格闘、潜入。あらゆる分野のスペシャリストである彼女たちに与えられたミッションは国際犯罪組織バル・ベルデに狙われた大統領の娘の護衛だった。
クールなティータイムの後は、キュートに作戦開始!
少女に擬態し、世界の巨悪を迎え撃て!

第28回電撃小説大賞<銀賞>受賞作



脳と骨髄を移植すれば身体を“着替えられる”ようになった近未来で、裏サイトで懸賞をかけられた大統領の隠し子を護衛し本国に帰還する作戦が、今始まる。ドクター「護衛しやすいように少女の身体にしたやったぞ!」

美少女TS、ミリタリー知識、古き良きハリウッドアクション映画。自分の好きを詰め込んだ、思いっきり趣味に走った作品。
名作映画のネタが各所に散りばめられ、こだわりの銃について熱く語りながら、少女が少女を護衛するために銃撃戦を繰り広げる。そんな倒錯的でカオスな設定でありながら、アクションシーンにはしっかりと迫力とスピード感があり、戦争の精神的な後遺症や、身体を入れ替える事で生じるアイデンティティの問題など、背景はシリアスかつ骨太で、エンタメ作品として新人賞作品とは思えない完成度を誇る。
但し、個人的な好みの問題としてこれだけは言いたい。
「中身おっさんかよ!」
少女と銃の組み合わせは大好きだ。TSも嫌いじゃない。でも、そこを合わせる必要はなくね?
なまじアクションシーンがしっかりしてるばかりに、戦闘中に少女要素を感じる箇所が少ないので、普通におっさんの姿が思い浮かんでしまうんだが。エロ親父みたい性格の少女と正真正銘のおっさんでは天と地以上の差がある、という凄くどうでもいい事を痛感させられた(苦笑)
これは文章主体のラノベでは設定が十分に生かせないかな。アニメか漫画でやらないと。
銀賞作品とは思えない完成度で面白かった。但し、作者とは微妙に趣味が合わない。