いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



レビュー

「義妹生活9」三河ごーすと(MF文庫J)

学校では『恋人』、家では『兄妹』。すりあわせによって適切な距離を見つけた悠太と沙季だったが、直後、両親のいない『完全に二人きりの二日間』を過ごすことになってしまう。 果たして二人は適切な距離を保ち続けられるのか……。一方、学校のイベント、友達…

「獄門撫子此処ニ在リ」伏見七尾(ガガガ文庫)

獄門撫子。化物すら畏怖する凶家『獄門家』の末裔。化物を喰らうさだめの娘。それなのに……自らを怖れぬ胡乱な女、無花果アマナとの出逢いが撫子を変える。花天井に潜むもの。箱詰人身御供。あざなえる呪い紐。人を取り替えるけもの。次々と怪異に挑むうち、…

「透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。」志馬なにがし(GA文庫)

「打上花火、してみたいんですよね」 花火にはまだ早い四月、東京の夜。 内気な大学生・空野かけるはひとりの女性に出会う。名前は冬月小春。周りから浮くほど美人で、よく笑い、自分と真逆で明るい人。話すと、そんな印象を持った。最初は。 ただ、彼女は目…

「魔法科高校の劣等生 夜の帳に闇は閃く」佐島勤(電撃文庫)

2097年8月、世界に衝撃が走った。ひとりの魔法師が大国に対抗する実力を示したのだ。 その魔法師の名は司波達也、「触れてはならない者たち」と恐れられる四葉家の一員にして、当時まだ18歳の高校生であった。 この事件を契機に、彼は世界から恐れられ、現状…

「レーエンデ国物語 月と太陽」多崎礼(講談社)

名家の少年・ルチアーノは屋敷を何者かに襲撃され、レーエンデ東部の村にたどり着く。そこで怪力無双の少女・テッサと出会った。 藁葺き屋根の村景や活気あふれる炭鉱、色とりどりの収穫祭に触れ、ルチアーノは身分を捨てて、ここで生きることを決める。しか…

「おいしいベランダ。 亜潟家のポートレート」竹岡葉月(富士見L文庫)

まもりの妊娠が分かって、幸せいっぱいの葉二。同時に新居や出産など、やることは盛りだくさん。 ところが葉二は育休を取れないと判明――! 二人は里帰り出産と準備を分担して乗り切ることを決める。 決意のもと、まもりは妊娠中も飲めるお茶や、葉二が収穫し…

武士道シリーズ全4巻

先日の出張のお供。 移動時間だけで11時間以上あったので、全4冊読み終わってしまった。 父が警察官だったこともあり幼少期から剣道一直線な少女・磯山香織。前世は猪か野武士か、とても女子とは思えないガサツで好戦的な真っすぐすぎる珍獣猪娘。 元々は日…

「石狩七穂のつくりおき 猫と肉じゃが、はじめました」竹岡葉月(ポプラ文庫ピュアフル)

派遣切りにあい求職中の七穂は、疎遠になっていた親戚の隆司が鬱で休職したと聞く。エリート街道まっしぐらのイケメンだった隆司だが、今や祖父の残した古民家に閉じこもり、盆栽いじりと居ついた猫の相手をするほかは、万年床で寝るばかりのとぼけた青年に…

「魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?17」手島史詞(HJ文庫)

聖剣を破壊し、そこに封印された天使を解放するべく調査を開始したザガン。さらには暗躍するマルコシアス一派や、魔族の出現など様々な難題を抱える中、ザガンは新たな一手を打つ。 それは、現存する最古のフォルネウスとの交渉。 その交渉役としてシャック…

「可燃物」米澤穂信(文藝春秋)

彼らは葛を良い上司だとは思っていないが、葛の捜査能力を疑う者は、一人もいない。 群馬県警利根警察署に入った遭難の一報。現場となったスキー場に捜査員が赴くと、そこには頸動脈を刺され失血死した男性の遺体があった。犯人は一緒に遭難していた男とほぼ…

「アルゴノゥト前章 道化行進 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 英雄譚」大森藤ノ(GA文庫)

『アルゴノゥト』 『神の恩恵』など存在しなかった、古代初期を舞台にした物語。 今も数々の説話として受け継がれる、一人の男の英雄譚。歴代の英雄の中でも、圧倒的にひ弱で、冴えない英雄。しかし彼を『始まりの英雄』と呼ぶ者もいる。 何故、アルゴノゥト…

「転生王女と天才令嬢の魔法革命7」鴉ぴえろ(富士見ファンタジア文庫)

「魔学都市計画の責任者を、アニスにお願いしたいのです」 ヴァンパイアとの決戦を経て、ドラゴンの力を取り込んだアニスフィア。だが、女王として政務を行うユフィリアとともに彼女たちの“魔法革命”はまだ道半ばだ。そんな折、アニスは魔学の発展のため、新…

「変人のサラダボウル5」平坂読(ガガガ文庫)

ある朝、惣助が目を覚ますと隣に全裸の弁護士ブレンダが寝ていた。果たして惣助は本当にやらかしてしまったのか……!? 一方、サラは相変わらず中学生活を満喫し、演劇祭で主役を務めることに。もう一人の異世界人リヴィアは、半グレ組織のリーダー・ミコトと出…

「りゅうおうのおしごと!18」白鳥士郎(GA文庫)

「私の中で将棋は終わったわ」 スーパーコンピューター《淡路》を使って将棋の解に至ったと嘯く天衣は、その言葉を証明するかのように着々と勢力(タイトル)を拡大していく。 《淡路》との対局を繰り返した八一もまた、親友との初めてのタイトル戦に寂しさ…

「湯治場のぶたぶた」矢崎存美(光文社文庫)

ふっと、休みたくなる時がある。身体をいたわって、滋味あふれる美味しい食事をとり、心を洗濯する――そんな思いを叶えてくれる小さな湯治場がここにあります。少し元気がない時は、鞄ひとつを持ってふらりと訪れてください。ビワがなる山里と豊かでいいお湯…

「レプリカだって、恋をする。2」榛名丼(電撃文庫)

「ねぇ。しばらく私の代わりに学校行ってくれない?」 不気味なくらいに優しい素直の言葉が、私を惑わせる。オリジナルがやりたくないことを押し付ける身代わり、〈レプリカ〉には、手に入るはずもなかったもの。“ふつう”の学校生活を送る日々が訪れた。 文芸…

「新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙 IX」支倉凍砂(電撃文庫)

狼の化身ルティアが抱えていた心の呪縛を解き、教科書を巡るアケントでの争いに終止符を打たせたコル。目的であった聖典印刷の目処も立ち、いざ公会議に向け、コルたちは準備を始めるのだった。 全世界の聖職者が集う公会議、来るべき論戦を優位に進めるべく…

「七つの魔剣が支配する XII」宇野朴人(電撃文庫)

つかの間の長期旅行を終え、四年生に進級したオリバーたち。哲人デメトリオの「失踪」に学園内の動揺がいまだ収まらないなか、穴埋めとして曲者ぞろいの新任教師たちが着任する。なかでもロッド=ファーカーは両極往来者であり〈大賢者〉と称される魔法使い。…

「シャーロック+アカデミー Logic.1 犯罪王の孫、名探偵を論破する」紙城境介(MF文庫J)

増加する凶悪犯罪に対抗し、探偵という職業の必要性が飛躍的に高まった現代。日本で唯一「国家探偵資格」を取得できる超難関校・真理峰探偵学園に今年、とある少年と少女が入学する。一人はかつて〈犯罪王〉と称された男の孫・不実崎未咲。もう一人は〈探偵…

「六人の嘘つきな大学生」浅倉秋成(角川文庫)

IT企業「スピラリンクス」の最終選考に残った波多野祥吾は、他の五人の学生とともに一ヵ月で最高のチームを作り上げうという課題に挑むことに。うまくいけば六人全員に内定が出るはずが、突如「六人の中から内定者を一人選ぶ」ことに最終課題が変更される。…

「ママ友と育てるラブコメ3」緒二葉(ガガガ文庫)

夏休み前日の放課後。響汰は、進路について雉村先生に呼び出されていた。今まで想夜歌のことを第一に考えていたからか、いざ自分の将来となると何も思いつかない。そして、澄との今後について。彼女に対して、ママ友とは違う特別な感情を抱いていることを自…

「レーエンデ国物語」多崎礼(講談社)

聖イジョルニ帝国フェデル城。家に縛られてきた貴族の娘・ユリアは、英雄の父と旅に出る。呪われた地・レーエンデで出会ったのは、琥珀の瞳を持つ寡黙な射手・トリスタンだった。 空を舞う泡虫、乳白色に天へ伸びる古代樹、湖に建つ孤島城。その数々に魅了さ…

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか オラリオ・ストーリーズ」大森藤ノ(GA文庫)

アポロン・ファミリアとの戦争遊戯、イシュタル・ファミリアとの抗争、そして、言葉を解するモンスター、異端児との出会い……。 急成長する少年が巻き起こしてきた大騒動。その周囲で翻弄される人々との記録と記憶の数々――。 「英雄と娼婦」「異端児からの手…

「月曜日の抹茶カフェ」青山美智子(宝島社文庫)

桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」では、定休日の月曜日に抹茶カフェ」が開かれ――。 ツイていない携帯ショップ店員、愛想のない茶問屋の若旦那、祖母が苦手な紙芝居師、京都老舗和菓子屋の元女将……。 一杯の抹茶から始まる、東京と京都をつなぐ1…

「私の心はおじさんである」嶋野夕陽 (PASH!ブックス)

友人、恋人、家族もいない孤独なサラリーマン山岸遥(43)。感情を表に出すことが苦手で、人と付き合うことを避ける内に、枯れたおじさんになっていた。しかし、ある日目を覚ますとそこは異世界。さらに、美しいダークエルフの女性になっていた!? 内気な性格…

「物語の種」有川ひろ(幻冬舎)

読めば心が躍り出す。 ほっこり&胸キュン全十篇の物語! 読者から「物語の種」(エピソードでも写真でもフレーズでもO.K.)を募集して、その中から選ばれた物語の種を著者が広げて小説にした十編の短編集。 その内くっ付きそうな若者二人が出て来るほのかな…

「お探し物は図書室まで」青山美智子 (ポプラ文庫)

「お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?」 仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。自分が本当に「探して…

「シュレーディンガーの少女」松崎有理(創元SF文庫)

すべての65歳に例外なく、プログラムされた死が訪れる世界。肥満者たちをテレビスタジオに集め、公開デスゲームを開催する健康至上主義社会。あらゆる数学を市民に禁じ、違反者を捕らえては刑に処している王国。はたまた日々の食卓から、秋刀魚が消え失せて…

「妹妹の夕ごはん 台湾料理と絶品茶、ときどきビール。」猫田パナ(富士見L文庫)

コンビニ弁当と缶ビールが夕食の定番で、自分を寿司ネタにたとえると「芽ネギ」(好きな人は好きかもね的な)、松沢夕夏30歳。 そんな枯れきった一人暮らしの家に、台湾から18歳の留学生がやってきた。夕食作りを条件にルームシェアすることになったのは、料理…

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 掌編集2」大森藤ノ(GA文庫)

【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタイン。 最強と名高い女剣士は今日も仲間達とともに、広大な地下迷宮『ダンジョン』へと繰り出していく。 ――そして訪れる少年との『出会い』 迷宮都市オラリオの地で少女と少年の物語が交差する約半年間に描かれた小さな挿話。…